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採血前後の注意点とは?食事・水・飲酒・止血について看護師・臨床検査技師が解説

採血に関する疑問を看護師・臨床検査技師が解説するイメージ

健康診断や病院での診察など、採血は私たちにとって身近な検査です。

一方で、

「採血って、なぜ何本も血を取るの?」

「採血前に水を飲んでもいい?」

「前日にお酒を飲んだけど、検査結果に影響する?」

「採血のときに『手を握ってください』と言われるのはなぜ?」

「採血したところが青あざになったけど大丈夫?」

など、採血について疑問や不安を感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

採血では、血糖値やコレステロール、肝機能、腎機能、貧血など、さまざまな項目を調べることができます。しかし、検査項目によっては食事や飲酒などの影響を受けることがあり、採血前後の過ごし方が検査結果や採血のしやすさに関係する場合もあります。

この記事では、採血に関わる看護師・臨床検査技師が、採血前の準備から採血時の疑問、採血しにくい場合の対策、採血後の止血や青あざまで、患者さんからよくいただく質問を分かりやすく解説します。

※採血前後の注意事項は検査内容や患者さんの状態によって異なります。医療機関から個別の指示がある場合は、その指示を優先してください。

採血前後の注意点を視覚的に理解しやすく説明した図

採血前に知っておきたいこと

採血を受ける前には、食事や水分、飲酒、服装などについて気をつけたいポイントがあります。

特に健康診断や人間ドックなどで「空腹時採血」と指示されている場合は、自己判断せず、指定された方法で検査を受けることが大切です。

採血の疑問、採血前の飲食についての図解

採血前に食事をしても大丈夫?

検査項目によっては、食事が採血結果に影響することがあります。

特に、

  • 血糖値
  • 中性脂肪(トリグリセリド)
  • インスリン
  • 一部のホルモン検査

などは、食事の影響を受けることがあります。

食後は血糖値や中性脂肪が変化するため、検査の目的によっては空腹時の採血が必要になります。

一方で、

  • 赤血球
  • 白血球
  • ヘモグロビン

など、食事の影響を比較的受けにくい検査項目もあります。

そのため、「採血はすべて空腹で受けなければならない」というわけではありません。

どの程度の絶食が必要かは検査内容によって異なります。医療機関から「朝食を抜いて来院してください」などの指示があった場合は、その指示に従いましょう。

採血前に水は飲んでもいい?

採血前の水や白湯は、検査内容によっては飲んでも問題ないことが多いです。

むしろ、脱水気味になると血管が細くなったり、見えにくくなったりして、採血が難しくなる場合があります。

ただし、

  • ジュース
  • 砂糖やミルクを入れたコーヒー
  • スポーツドリンク
  • アルコール

などは、検査結果に影響する可能性があります。

「絶食」と言われた場合でも、水分については検査によって指示が異なることがあります。

検査前の水分摂取について指示がある場合は、必ず医療機関の指示を優先してください。

前日の飲酒は採血結果に影響する?

はい。飲酒は採血結果に影響することがあります。

アルコールは体内で代謝されるため、飲酒量や飲酒した時間などによって、翌日の検査値が変化する可能性があります。

特に注意したい項目として、

  • 中性脂肪(トリグリセリド)
  • 血糖値
  • 肝機能検査(AST、ALT、γ-GTPなど)
  • 尿酸

などがあります。

また、飲酒は脱水につながることがあり、翌日の採血時に血管が見つけにくくなる可能性もあります。

健康診断や人間ドックなどで普段の健康状態をできるだけ正確に評価するためには、前日の飲酒を控えることがすすめられます。

「昨日飲酒してしまったけれど、採血していい?」と迷った場合は、自己判断で検査を中止するのではなく、検査を受ける医療機関に確認しましょう。

採血の日はどんな服装がいい?

採血では、ひじの内側にある血管から採血することが多いため、袖をひじの上まで無理なくまくれる服装がおすすめです。

特に注意したいのが、袖口による腕の圧迫です。

袖を無理にまくり上げて腕を強く締め付けると、採血部位に負担がかかったり、採血後の止血がしにくくなったりする場合があります。

採血当日は、

  • 袖をひじの上までまくりやすい
  • 袖口にゆとりがある
  • 腕を締め付けすぎない

服装を選ぶと安心です。

冬場は、厚手の服を一枚着込むより、脱ぎ着しやすい重ね着にすると採血を受けやすくなります。

採血を受けるときの疑問

採血を受けるときには、「なぜこんなことをするの?」と感じる場面があります。

ここでは、採血時によくある疑問について解説します。

採血はなぜ何本も採るの?

採血時、何本も採血するのはなぜ?に答える図解

採血を受けるとき、

「こんなに何本も採って大丈夫なの?」

と不安になった経験がある方もいるかもしれません。

採血管が5~6本になることもありますが、検査内容によって必要な採血量は異なります。

また、採血管が複数になるのには理由があります。

血液検査には、

  • 血糖値
  • コレステロール
  • 肝機能
  • 腎機能
  • 貧血
  • ホルモン
  • 血液の固まりやすさ

など、さまざまな検査があります。

検査によって必要な血液の状態や保存方法が異なるため、

  • 血液を固めて調べるための採血管
  • 血液が固まらないようにする採血管
  • 特殊な薬剤や保存液が入った採血管

などを使い分けています。

そのため、「試験管の本数が多い=大量の血液を採っている」というわけではありません。

採血管の本数は、検査する項目や医療機関によっても変わります。

「手を握ってください」と言われるのはなぜ?

採血のとき、

「手を軽く握ってください」

と言われることがあります。

これは、腕の静脈を見つけやすくするためです。

手を軽く握ることで、静脈が目立ちやすくなり、採血を行いやすくなる場合があります。

一方で、強く握り続けたり、何度もグーパーを繰り返したりする必要はありません。

採血方法や検査項目によっては、筋肉の収縮などが検査値に影響する可能性があります。

そのため、採血時に「手を握ってください」と言われた場合は、力を入れすぎず、スタッフの指示に従うことが大切です。

採血時に強く手を握ったり、グーパーを繰り返したりしてもいい?

採血時に血管を見つけやすくするため、手を軽く握ることがあります。

しかし、強く握り続けたり、何度もグーパーを繰り返したりする必要はありません。

特に一部の検査項目では、筋肉の収縮などによって検査値に影響する可能性があります。

「軽く握ってください」と言われた場合は、強く力を入れず、指示された状態を保つようにしましょう。

採血しにくい・血管が見つからないときの対策

「いつも血管が見つからない」「採血で何度も刺し直しになってしまう」

という方もいるでしょう。

血管の太さや位置には個人差があるため、必ず一度で採血できるとは限りません。

ただし、採血を受ける際にできる工夫もあります。

水分を適度にとる

脱水気味になると血管が細くなり、見えにくくなることがあります。

採血前の水分摂取が可能な検査であれば、適度に水分をとっておくことが採血のしやすさにつながる場合があります。

ただし、検査によって水分摂取の制限がある場合もあるため、医療機関からの指示を優先してください。

体を冷やさない

寒いと血管は収縮しやすくなります。

冬場や冷房の効いた場所では、上着を着るなどして体を冷やさないようにするとよいでしょう。

必要に応じて、スタッフが腕を温めてから採血を行うこともあります。

リラックスして採血を受ける

採血が苦手な方は、針を見るだけで緊張してしまうこともあります。

緊張すると血管が収縮し、採血しにくくなる場合があります。

採血前に深呼吸をして、肩や腕の力を抜いておきましょう。

採血しにくいことを事前に伝える

これまで採血が難しかった経験がある方は、遠慮せずスタッフに伝えてください。

たとえば、

「いつも右腕から採っています」

「手の甲から採血したことがあります」

「以前、何度か刺し直しになりました」

など、過去の経験を伝えることが、採血部位や方法を検討する際の参考になります。

採血が怖い・気分が悪くなりやすい人へ

採血そのものが苦手な方や、過去に採血で気分が悪くなった経験がある方もいるでしょう。

採血への不安や過去の経験は、我慢せずスタッフに伝えてください。

採血で気分が悪くなった経験は事前に伝える

過去に採血や注射で、

  • 気分が悪くなった
  • 冷や汗が出た
  • めまいがした
  • 倒れそうになった

などの経験がある方は、採血前にスタッフへ伝えてください。

採血時の体調や状況に応じて、横になって採血を行うなど、安心して検査を受けられるよう対応できる場合があります。

採血が苦手なことを伝えてもいい?

もちろんです。

「採血が怖い」「針を見るのが苦手」「以前気分が悪くなった」など、気になることがあれば事前にスタッフへ伝えましょう。

採血を受ける姿勢や声かけなど、状況に応じて配慮してもらえる場合があります。

採血が苦手だからといって、我慢する必要はありません。

採血後の注意点|止血・運動・青あざについて

採血後の止血について正しい止血法を図解で説明

採血が終わった後も、止血や腕の使い方など、いくつか注意したいことがあります。

採血後の正しい止血方法

採血では、針を使って静脈に小さな穴を開けています。

針を抜いた直後は、刺した部分から血液がにじみ出る可能性があるため、採血後は刺した場所をしっかり圧迫して止血することが大切です。

採血後は、看護師や臨床検査技師などのスタッフから渡されたガーゼや綿などを採血部位に当て、指でしっかり押さえましょう。

採血後は何分くらい圧迫する?

止血に必要な時間には個人差があります。

一般的には数分程度しっかり圧迫しますが、出血しやすい方や、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬など)を服用している方では、より長い時間の圧迫が必要になることがあります。

採血後はスタッフの指示に従って、十分に圧迫しましょう。

採血後は肘を曲げる?伸ばす?

採血後に「肘を曲げてください」と言われた経験がある方もいるかもしれません。

しかし、腕を曲げるだけでは、針を刺した部分を十分に圧迫できないことがあります。

採血後は、腕を自然に伸ばし、針を刺した場所を指でしっかり押さえることがポイントです。

止血では、腕を曲げることよりも、採血した部位を直接圧迫することが大切です。

採血後に運動してもいい?

採血した当日は、採血した腕に強い負担がかかる行動はできるだけ避けましょう。

たとえば、

  • 採血した腕で重い荷物を持つ
  • 採血した腕で力仕事をする
  • 激しい運動をする

などです。

採血した部位に負担がかかると、出血や皮下出血(青あざ)の原因になることがあります。

特に採血直後は、十分に止血できていることを確認してから普段の生活に戻りましょう。

採血したところが青あざになったら?

採血後に、針を刺した場所が紫色や青色になることがあります。

これは、採血した部位から少量の血液が皮下に漏れることで起こる皮下出血(内出血)であることが多く、通常は時間とともに自然に吸収されていきます。

青紫色だった部分が徐々に黄色っぽく変化しながら、少しずつ薄くなっていくこともあります。

多くの場合は心配ありませんが、

  • 強い痛みが続く
  • 腫れがどんどん大きくなる
  • 出血がなかなか止まらない
  • 手や腕のしびれがある
  • 採血部位の状態が悪化している

などの場合は、採血を受けた医療機関へ相談してください。

採血に関するよくある質問

ここまでの内容以外にも、採血についてよくある疑問にお答えします。

採血前は薬を飲んでもいい?

薬の種類や検査内容によって異なります。

自己判断で薬を中止したり、飲む時間を変更したりすることは避け、採血前の服薬について医療機関から指示がある場合は、その指示に従ってください。

採血前に運動してもいい?

検査項目によっては、運動の影響を受ける場合があります。

健康診断や血液検査の前に激しい運動をすると、検査値に影響する可能性があるため、検査前の運動について指示がある場合は従ってください。

採血後に血がにじんできたらどうする?

採血部位をガーゼなどでしっかり圧迫してください。

それでも出血が続く場合や、腫れや痛みが強くなる場合は、採血を受けた医療機関やスタッフへ相談しましょう。

採血前後の注意点を確認して、安心して検査を受けましょう

採血は、健康診断や日常の診療でも行われる身近な検査です。

しかし、検査結果を正確に評価するためには、採血前後のちょっとした準備や注意点を知っておくことが大切です。

今回ご紹介したポイントをまとめると、

  • 食事の影響を受ける検査項目がある
  • 採血前の水分摂取は、検査内容によって可能な場合がある
  • 前日の飲酒が検査結果に影響することがある
  • 採血管が複数あるのは、検査項目によって使い分けるため
  • 採血時は手を強く握り続けず、スタッフの指示に従う
  • 採血しにくい場合は、水分や体温などに注意し、過去の経験をスタッフへ伝える
  • 採血が苦手な方や過去に気分が悪くなった方は、事前に伝える
  • 採血後は刺した場所をしっかり圧迫して止血する
  • 採血後の青あざは、多くの場合は自然に改善する
  • 強い痛みや腫れ、しびれ、止血困難などがあれば医療機関へ相談する

ことがポイントです。

「採血は苦手」「何度も刺されるのが不安」という方も、事前にそのことをスタッフへ伝えることで、状況に応じた対応を受けられる場合があります。

採血について分からないことや不安なことがあれば、我慢せず医療スタッフに相談してください。

記事監修

看護師 A

採血時の患者さんへの声かけや体調確認、採血後の止血など、患者さんが安心して採血を受けるための視点から監修しています。

臨床検査技師 F

採血管の種類や検査項目、食事・飲酒などが検査結果に与える影響など、検査の正確性という視点から監修しています。

※本記事は一般的な情報をまとめたものです。検査内容や患者さんの状態によって注意事項は異なる場合があります。採血前後について医療機関から個別の指示がある場合は、その指示を優先してください。

クリニック情報

けやき脳神経リハビリクリニック

院長:林 祥史(・日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医・日本脳血管内治療学会認定 脳血管内治療専門医)
所在地:東京都目黒区下目黒2-14-13下目黒HAPPYビル1~3階(受付2階)
診療科目:脳神経外科・リハビリテーション科・内科
検査設備:MRI、レントゲン、超音波など
公式サイト:https://keyaki-nrc.com/

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