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【低用量ピルと頭痛】「副作用だと思っていた…」MRIで見つかる危険な脳の病気とは

低用量ピル服用中の頭痛や閃輝暗点、危険な脳疾患について解説するイメージ画像

低用量ピルの使用で起こる頭痛の多くは一時的な副作用です。 しかし、

  • 視界がチカチカする
  • 今までと違う強い頭痛
  • 急に悪化した

といった症状がある場合、脳梗塞や脳静脈洞血栓症など、危険な脳の病気が隠れていることがあります。特に「閃輝暗点(せんきあんてん)」を伴う頭痛は重要なサインです。

「副作用だと思っていたら危険な病気だった」

そうならないために、受診の目安をわかりやすく解説します。

ピルで頭痛がしたらまずどうする?(対処法)

ピル服用中に頭痛が起きたとき、最も大切なのは「頭痛以外の症状があるかどうか」です。

  • 軽い頭痛だけの場合: 飲み始めの一時的な副作用のケースが多く、体が慣れるにつれて(数週間〜3ヶ月程度で)自然と改善します。
  • 以下の症状を伴う場合:
    • 視界がチカチカ・ギザギザする
    • 手足がしびれる、力が入らない
    • ろれつが回らない、言葉が出にくい
    • 初めて経験するような激しい頭痛

これらがある場合は自己判断せず、すぐに服用を中止して脳神経外科へご相談ください。

低用量ピルで頭痛が起こる理由

低用量ピルによるホルモン変化と頭痛発生メカニズムを示した図解

ピル服用中の頭痛は、主に「飲み始め」や「休薬期間」の女性ホルモンの一時的な急変動が脳の血管に影響することで起こります。
ピルは脳の血管に影響し、頭痛のきっかけになることがあります。特に頭痛が起こりやすいのは、以下のタイミングです。

  • ピルの飲み始め: 体の変化に脳の血管が反応し、一時的に痛みが起きやすくなります。
  • 休薬期間(偽薬期間): ピルを休むことで女性ホルモンが急激に低下し、頭痛(消退出血期頭痛)が誘発されやすくなります。

元々片頭痛体質の方は、この変動によって症状が強く出やすくなります。

💡 関連リンク: ピル以外の頭痛の全体像を知りたい方は、こちらの「外来で多い10の頭痛の原因と対処法]」の記事も参考にしてください。

ヤーズ・ドロエチ・トリキュラー・ファボワールなど、ピルの種類によって頭痛リスクは違う?

ピルの種類(超低用量・低用量)によって頭痛の頻度や血栓症リスクに多少の差はありますが、どのピルであってもリスクが完全にゼロになるわけではありません。

  • 超低用量ピル(ヤーズ、ヤーズフレックス、ドロエチなど): ホルモン量が少なく、従来のピルに比べて頭痛や血栓症リスクが軽減されています。
  • 低用量ピル(トリキュラー、ファボワール、ラベルフィーユ、アンジュなど): 長年広く使われている薬ですが、超低用量ピルに比べるとホルモン含有量が少し多いため、体質によっては飲み始めの頭痛が強く出ます。

大切なのは、ピルの種類より「危険な頭痛かどうか」です。

低用量ピルによる頭痛はいつまで続く?

飲み始めの1〜3ヶ月は様子を見てよいケースが多い

通常の副作用であれば、服用を開始して「1〜3ヶ月以内」に体が慣れ、自然と軽快していきます。この期間の軽いズキズキとした痛みや重い感じであれば、過度に心配する必要はありません。

3ヶ月以上続く場合や悪化する場合は受診を

服用を始めて3ヶ月以上が経過しても頭痛が治まらない場合、あるいは日を追うごとに痛みの頻度や程度が「悪化している」と感じる場合は、別の頭痛疾患や脳の病気が隠れている可能性もあります。一度専門医による診察を受けてください。

ここまでのポイント:ピル服用中の頭痛の多くは、一時的な副作用です。 ただし、「いつもと違う頭痛」だけは放置しないことが大切です。

危険な片頭痛の前兆「閃輝暗点(せんきあんてん)」とは?

ピル服用中の頭痛において、最も注意しなければならないのが片頭痛の前兆症状である「閃輝暗点(せんきあんてん)」です。閃輝暗点がある方はピル服用による脳梗塞リスクが上昇するため、低用量ピルの服用は「原則禁忌」とされています。

閃輝暗点の具体的な症状

  • 視界の中に「ギザギザした光」や「キラキラした時計の歯車のようなもの」が現れる
  • 光の波が徐々に広がり、「視界の一部が欠けて見えなくなる(視野欠損)
  • これらの症状が「20〜30分程度」続いた後、続いて頭痛が起こる(※頭痛が来ないタイプもあります)
閃輝暗点による視界のチカチカやギザギザした光の見え方を再現したイメージ図

目の病気に見えますが、実際は「脳の血管」が関係する症状です。目の病気と思って眼科を受診される方も多いですが、実は脳の血管由来の症状です。

関連リンク: 閃輝暗点の詳しいメカニズムは「[視界がチカチカ・ギザギザする「閃輝暗点」]」の解説記事をご覧ください。

【重要】閃輝暗点がある方は低用量ピルが「原則禁忌」

公益社団法人 日本産科婦人科学会のガイドラインにおいて、前兆のある片頭痛(閃輝暗点など)がある女性への低用量ピルの処方は「原則禁忌(服用してはいけない)」とされています。

エストロゲンには血液を固まりやすくする作用があります。そこに片頭痛による脳血管への負荷が加わることで、脳梗塞リスクが上昇するためです。

過去に1回でも閃輝暗点の経験がある場合も同様です。その場合は、婦人科にてエストロゲンを含まない「黄体ホルモン単剤(ミニピル)」や「ミレーナ」など、別の選択肢を相談することになります。

低用量ピルによる頭痛は何科を受診すればいい?

軽い副作用だけなら婦人科で相談可能ですが、視界異常(閃輝暗点)やいつもと違う激しい頭痛、手足のしびれを伴う場合は脳神経外科でMRI検査を受けることが推奨されます。

ピル服用中の頭痛で婦人科受診が適しているケースと脳神経外科受診が必要なケースの比較図

婦人科で相談した方がよいケース

  • ピルを飲み始めたばかりの、日常生活に支障がない軽い頭痛
  • 休薬期間(偽薬期間)のときだけ起こる頭痛
  • 他に神経症状(しびれや見え方の異常など)がまったくない

脳神経外科(頭痛外来)を受診した方がよいケース

  • 初めて経験するような強い頭痛」が起きた
  • 視界がチカチカする(閃輝暗点)がある
  • 手足のしびれ、力が入らない、「ろれつが回らない」などの神経症状がある
  • ピルを開始してから、明らかに頭痛の回数や痛みが悪化している

患者様自身の症状だけでは、通常の副作用なのか危険な脳の病気なのかを区別できないことも多いため、一度、脳の検査を受けることが大切です。婦人科で「様子を見ましょう」と言われても不安が残る場合は、脳神経外科でのMRI検査が大きな安心につながります。

脳神経外科のMRI検査で除外すべき病気

ピル服用中の危険な頭痛を見極めるため、脳神経外科ではMRI検査を行い、脳静脈洞血栓症や脳梗塞などの重大な脳血管トラブルが隠れていないかを精密に調べます。
当院ではMRI検査を用いて、万が一のリスクを想定し、以下の疾患が隠れていないかを精密に評価(除外診断)します。

1. 脳静脈洞血栓症(のうじょうみゃくどうけっせんしょう)

脳静脈洞血栓症とは、脳の静脈(血液の帰り道)に血の塊(血栓)が詰まる病気です。 まれですが、20〜30代の若い女性でも発症することがあるため、ピル服用中の頭痛において最も見逃してはいけない重要疾患です。

初期には「頭痛しか症状がない」ケースもあり、風邪や片頭痛と思い込まれてしまうことがあります。「麻痺がないから大丈夫」と自己判断せず、一度、脳の検査を受けることが大切です。

脳静脈洞血栓症による血流障害と頭痛症状を解説した医療イラスト

2. その他の除外すべき脳の病気

  • 脳梗塞・脳出血: 脳の血管が詰まったり破れたりする病気です。特に「35歳以上で1日15本以上喫煙」「高血圧」の方はリスクが高く、処方自体が禁忌となる場合があります。
  • 可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS): 突然の激しい頭痛を起こす病気です。
  • 脳動脈瘤・脳腫瘍: 頭痛が日ごとに悪化する場合などに除外すべき疾患です。

【セルフチェック】こんな頭痛はすぐ脳神経外科にご相談を

ピル服用中、以下のような症状が一つでもあれば、ただの副作用と決めつけず、早期に脳の検査を受けることをおすすめします。

初めて経験するような強い頭痛

視界がギザギザ・チカチカする(閃輝暗点)

手足がしびれる、力が入らない

ろれつが回らない、言葉が出にくい

頭痛の回数や痛みが急に悪化した

今までと性質の違う、違和感のある頭痛

低用量ピル服用中に注意すべき危険な頭痛症状のチェックリスト図

低用量ピルと頭痛に関するよくある質問(FAQ)

ピル服用中の頭痛で市販の鎮痛薬を飲んでも大丈夫ですか?

飲み始めの一時的な軽い頭痛であれば、市販薬で様子を見ても構いません。ただし、薬が効かない激しい痛みや、飲む頻度が増えている場合は受診してください。

MRI検査はどれくらい時間がかかりますか?痛い検査ですか?

当院のMRI検査は、検査室に入ってから約10分程度で終了します。横になっているだけの検査で、痛みはありません。

ピル服用で頭痛がしたら、すぐに服用を中止した方がいいですか?

突然の激しい頭痛や、手足のしびれ、視界異常を伴う場合は、すぐに服用を中止して脳神経外科を受診してください。軽い頭痛であれば自己判断で急に止めず、医師にご相談ください。

ピルによる頭痛はいつまで続くのが普通ですか?

通常の副作用であれば、服用開始から1〜3ヶ月以内に軽快します。3ヶ月以上経っても続く場合や悪化していく場合は、別の病気が隠れている可能性があるため検査をおすすめします。

視界がチカチカする場合、眼科と脳神経外科どちらを受診すべきですか?

閃輝暗点は目ではなく「脳」の血管由来の症状です。視界異常に加えて頭痛を伴う場合は、まず脳神経外科での検査をおすすめします。

当院の頭痛外来・MRI検査

当院では、ピル服用中の頭痛に対して、脳神経外科専門医がMRIを用いて脳血管トラブルの有無を精密に評価しています。

  • 当日MRI対応・当日結果説明
  • 日本脳神経外科学会専門医による確かな診断
  • 閃輝暗点・片頭痛の専門的評価
  • かかりつけ婦人科とのスムーズな連携対応

「いつもの頭痛と違う」 それだけでも受診の理由になります。MRIで異常がないことを確認するだけでも、大きな安心につながります。どうぞお気軽にご相談ください。

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医師プロフィール

院長:林 祥史
私立灘高校卒/東京大学医学部医学科卒
けやき脳神経リハビリクリニック 院長

資格・所属学会
【資格】 日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医、日本脳血管内治療学会認定 脳血管内治療専門医

【所属学会】 日本脳神経外科学会、日本脳血管内治療学会、日本脳卒中学会、日本リハビリテーション医学会、日本頭痛学会、日本めまい平衡医学会、American Academy of Family Physicians、Cambodian Medical Association

クリニック情報

けやき脳神経リハビリクリニック

院長:林 祥史(・日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医・日本脳血管内治療学会認定 脳血管内治療専門医)
所在地:東京都目黒区下目黒2-14-13下目黒HAPPYビル1~3階(受付2階)
診療科目:脳神経外科・リハビリテーション科・内科
検査設備:MRI、レントゲン、超音波など
公式サイト:https://keyaki-nrc.com/

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