脂質異常症の症状は?頭痛・めまいとの関係と脳梗塞のリスクを解説

「健康診断でLDLコレステロールが高いと言われた。でも、特に症状はない……」
「最近、頭痛やめまいがあるけれど、コレステロールと関係している?」
「コレステロールが高いと、脳梗塞になりやすい?」
健診結果を見て、このようなことが気になった方もいるのではないでしょうか。
まず、結論からお伝えします。
脂質異常症の症状を先にまとめると
- 多くの場合、自覚症状はほとんどありません
- 頭痛・めまい・肩こりは、脂質異常症に特徴的な症状ではありません
- 健康診断などの血液検査で初めて気づくことが多い病気です
- 一部では黄色腫やアキレス腱の肥厚などがみられることがあります
国立循環器病研究センターでも、脂質異常症は自覚症状に乏しく、一部で黄色腫などがみられることが説明されています。
では、症状がほとんどないのに、なぜ脂質異常症に注意するのでしょうか。
そこで重要になるのが、その先にある「動脈硬化」です。
そして脳神経外科の視点から、もう一つ知っていただきたいことがあります。
「コレステロールの数値」と「実際の血管の状態」は、同じものではありません。
この記事では、「脂質異常症にはどんな症状がある?」という疑問から、頭痛・めまいとの関係、動脈硬化、頸動脈プラーク、そして脳梗塞との関係まで順番に解説します。
目次
脂質異常症とは?
脂質異常症とは、血液中の脂質の値が基準から外れた状態です。
健康診断では主に、
- LDLコレステロール
- HDLコレステロール
- 中性脂肪(トリグリセライド)
- non-HDLコレステロール
などを確認します。
代表的な診断基準は次の通りです。
| 項目 | 診断基準 |
|---|---|
| LDLコレステロール | 140mg/dL以上:高LDLコレステロール血症 |
| 120~139mg/dL:境界域高LDLコレステロール血症 | |
| HDLコレステロール | 40mg/dL未満:低HDLコレステロール血症 |
| 中性脂肪 | 150mg/dL以上(空腹時):高トリグリセライド血症 |
| 175mg/dL以上(随時):高トリグリセライド血症 | |
| non-HDLコレステロール | 170mg/dL以上:高non-HDLコレステロール血症 |
| 150~169mg/dL:境界域高non-HDLコレステロール血症 |
参考:日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」
ここで一つ覚えておきたいのは、この表は「診断基準」であって、一人ひとりの治療目標値そのものではないということです。
「LDLが140mg/dLを超えたら、全員がすぐ薬を飲む」という意味ではありません。
実際には、年齢、血圧、糖尿病、喫煙、腎機能、心血管疾患や脳血管疾患の既往なども含めてリスクを評価します。日本動脈硬化学会でも、脂質だけでなく複数の危険因子を含めた包括的なリスク評価が重視されています。
脂質異常症にはどんな症状がある?

「健診で引っかかったのに、何も症状がありません」
これは不思議なことではありません。
むしろ、脂質異常症は症状で気づくより、健康診断の血液検査で気づくことが多い病気です。
LDLコレステロールが高くても、「痛い」「苦しい」といった分かりやすい症状が出るとは限りません。
国立循環器病研究センターでも、脂質異常症ではほとんど症状がみられないことが説明されています。
頭痛やめまいは?気になる症状を整理
| 気になる症状・所見 | 脂質異常症との関係 |
|---|---|
| 頭痛 | 特徴的な症状ではありません |
| めまい | 特徴的な症状ではありません |
| 肩こり | 特徴的な症状ではありません |
| 疲れやすさ | 特徴的な症状ではありません |
| 黄色腫(コレステロールなどが皮膚にたまってできる黄色いできもの) | 一部の脂質異常症でみられることがあります |
| アキレス腱の肥厚 | 家族性高コレステロール血症などでみられることがあります |
参考:国立循環器病研究センター「脂質異常症」
「最近の頭痛は、コレステロールが高いせい?」
健診でLDLコレステロールが高いと言われた直後に頭痛があると、
「もしかしてコレステロールが原因?」
と考えてしまうかもしれません。
しかし、脂質異常症は通常、頭痛で気づく病気ではありません。
頭痛には片頭痛や緊張型頭痛をはじめ、さまざまな原因があります。
つまり、
コレステロールが高かった
+
頭痛がある
からといって、脂質異常症が頭痛の原因とは限りません。
頭痛は頭痛として、症状の出方や経過から原因を考えることが大切です。
また、高血圧を合併している方であれば、血圧との関係が気になることもあるでしょう。
突然経験したことのない激しい頭痛や、麻痺・しびれ・言葉の異常などを伴う場合には、脂質異常症とは切り離して、脳の病気を考える必要があります。
「めまいや肩こりも脂質異常症の症状?」
めまい、肩こり、疲れやすさも、脂質異常症に特徴的な症状ではありません。
例えば、めまいには耳の病気をはじめ、さまざまな原因があります。症状の出方や一緒に現れる症状によっては、脳の病気を確認する必要がある場合もあります。
つまり、脂質異常症では、
「症状を探す」のではなく、「症状がなくても血液検査の結果を見る」ことが大切です。
これが脂質異常症の特徴の一つです。
症状がなくても注意したい「動脈硬化」
「症状がないなら、そのままでも大丈夫?」
ここからが、脂質異常症で本当に知っておきたいところです。
脂質異常症で注意したいのは、
症状より、その先にある動脈硬化です。
特に高LDLコレステロール血症などは、動脈硬化性疾患の重要な危険因子の一つです。
血管壁にコレステロールなどが蓄積すると、動脈硬化が進む過程でプラーク(粥腫)と呼ばれる病変が形成されることがあります。
プラークが大きくなれば、血管の内側が狭くなることがあります。
また、プラークが破綻するなどして血栓が形成されると、血流が妨げられることがあります。国立循環器病研究センターも、脂質の蓄積からプラーク形成、血栓形成、血管閉塞へ至る流れを解説しています。
脂質異常症から動脈硬化へ
脂質異常症などの危険因子
↓
動脈硬化が進む
↓
プラークが形成される
↓
血管が狭くなる・血栓ができることがある
↓
脳梗塞・心筋梗塞などにつながることがある

このように、脂質異常症はそれ自体で症状を起こすというより、動脈硬化を進める危険因子の一つとして、脳梗塞などの動脈硬化性疾患と関係します。
もちろん、脂質異常症だけですべてが決まるわけではありません。高血圧、糖尿病、喫煙、年齢など、複数の危険因子を合わせて考えることが大切です。
「LDLが160でした。もう血管が詰まり始めている?」
ここは、脳神経外科の視点からぜひ知っていただきたいところです。
LDLコレステロールの数値だけでは、血管が狭くなっているかどうかまでは分かりません。
例えばLDLコレステロールが160mg/dLだったとしても、その数字だけから、
- 頸動脈にプラークがあるのか
- 頸動脈が狭くなっているのか
- 脳の血管に狭窄があるのか
までは分かりません。
なぜなら、血液検査と画像検査では見ているものが違うからです。

| 検査 | 主に見ているもの |
|---|---|
| 血液検査 | LDL・HDL・中性脂肪など血液中の脂質 |
| 頸動脈エコー | 血管壁・プラーク・狭窄・血流など |
| MRAなど | 脳や頸部の血管の状態 |
血液検査は「脂質」を、画像検査は「血管」を見ています。
これは今回の記事で特に覚えていただきたいポイントです。
「LDLが高かったから、すぐに画像検査が必要」という意味ではありません。
症状、年齢、既往歴、高血圧、糖尿病、喫煙などを踏まえて、どのような評価が必要かを考えます。
脂質異常症と脳梗塞の関係
「コレステロールが高いと脳梗塞になる?」
必ず脳梗塞になるわけではありません。
脳神経外科として注目するのは、脂質異常症が動脈硬化を進める危険因子の一つであり、その先に脳梗塞があるという点です。
脳梗塞には、原因や起こり方によっていくつかのタイプがあります。
| 脳梗塞のタイプ | 主な仕組み |
|---|---|
| アテローム血栓性脳梗塞 | 比較的大きな動脈の動脈硬化など |
| ラクナ梗塞 | 脳の細い血管の障害など |
| 心原性脳塞栓症 | 心臓でできた血栓が脳へ流れる |
この中でも、脂質異常症との関係を考えるうえで特に重要なのが、動脈硬化を背景とするアテローム血栓性脳梗塞です。
日本動脈硬化学会でも、脳梗塞を含む動脈硬化性疾患と脂質異常症を包括的に評価することが重視されています。
つまり、
脂質異常症
↓
動脈硬化
↓
頸動脈や脳へ向かう血管に病変ができる
↓
脳梗塞につながることがある
という流れです。
「脂質異常症=脳梗塞」と考えるより、こちらの方が実際の病態を理解しやすいでしょう。
脳神経外科だから注目したい「頸動脈」
頸動脈は、首の左右を通り、脳へ血液を送る重要な血管です。
この頸動脈にも動脈硬化が起こり、頸動脈プラークが形成されることがあります。
そして、ここが重要です。
頸動脈に動脈硬化があっても、症状がないことがあります。
脂質異常症そのものも自覚症状に乏しく、頸動脈の動脈硬化も症状なく進んでいることがあります。
だからこそ、
「症状がない=血管にも問題がない」
とは限りません。
頸動脈のプラークによって血管が狭くなったり、プラークに関連した血栓などが脳の血管を閉塞したりすると、脳梗塞につながることがあります。
これが、脂質異常症と脳梗塞をつなぐ重要な接点の一つです。
「脳出血もコレステロールと関係する?」
脳梗塞と脳出血は、どちらも「脳卒中」に含まれますが、起こる仕組みは異なります。
脂質異常症では、動脈硬化を介した脳梗塞との関係が特に重要です。
脳出血では、高血圧などが重要な危険因子になります。
血清脂質と脳出血との関係は単純ではないため、脂質異常症から脳卒中を考えるときには、まず動脈硬化と脳梗塞との関係を理解しておくとよいでしょう。
頸動脈の動脈硬化はどうやって調べる?
「コレステロールが高かったら、頸動脈エコーを受けた方がいい?」
頸動脈の動脈硬化を評価する方法の一つが、頸動脈エコー(頸動脈超音波検査)です。
頸動脈エコーでは、
- 血管壁の状態
- 内中膜厚(IMT)
- プラークの有無
- プラークの大きさや性状
- 血管の狭窄
- 血流の状態
などを確認します。
つまり、
「コレステロールが高いか」を見る検査ではなく、「頸動脈が実際にどうなっているか」を見る検査です。
脂質異常症がある方全員に頸動脈エコーが必要というわけではありません。
年齢、症状、既往歴、高血圧、糖尿病、喫煙などを含めて検査の必要性を考えます。
「プラークが見つかったら危険?」
「頸動脈にプラークがあります」
と言われると、不安になる方もいるでしょう。
ここで知っておきたいのは、頸動脈プラークは単純に「ある・ない」だけを見るものではないということです。
大きさ、性状、血管がどの程度狭くなっているかなどを確認します。
つまり、
プラークがある=すぐに脳梗塞になる
という意味ではありません。
プラークそのものの状態と、症状やほかの危険因子をあわせて考えることが重要です。
頸動脈MRIでプラークを評価することも
頸動脈の状態によっては、MRIを用いてプラークの性状を評価することがあります。
撮像方法によっては、プラークの内部について頸動脈エコーとは異なる情報を得られる場合があります。
ここでも、
血液検査 → 頸動脈エコー → 頸動脈MRI
と全員が順番に受けるわけではありません。
それぞれの検査には役割があり、必要な情報に応じて使い分けます。
【関連記事:頸動脈MRIとは?MRIでプラークを評価する理由】
「脂質異常症の症状」と「脳梗塞の症状」は別物
ここまで読んで、
「脂質異常症は無症状なのに、どうして脳梗塞では症状が出るの?」
と思った方もいるかもしれません。
この2つを分けると分かりやすくなります。

脂質異常症
多くの場合、自覚症状はほとんどありません。
脳梗塞
発症すると、突然神経症状が現れることがあります。
例えば、
- 顔の片側がゆがむ
- 片方の手足に力が入らない
- 片方の手足が突然しびれる
- ろれつが回らない
- 言葉が出にくい
- 相手の言葉を理解しにくい
- 急に見え方がおかしくなる
- 急にバランスが取りにくくなる
などです。
つまり、
これらは「脂質異常症の症状」ではなく、その先で脳梗塞などを発症した際に現れる可能性のある症状です。
一度症状が出た後、短時間で元に戻ることもあります。
その場合でも、一過性脳虚血発作(TIA)などの可能性があります。
「治ったから大丈夫」と様子を見るのではなく、速やかな受診が必要です。
健診でコレステロールが高いと言われたら?
「健診で引っかかりました。まず何をすればいい?」
脂質異常症は症状が出にくいからこそ、健診結果をそのままにしないことが大切です。
まず確認したいのは、「コレステロールが高かった」という一項目だけではありません。
① 脂質の数値を確認する
- LDLコレステロール
- HDLコレステロール
- 中性脂肪
- non-HDLコレステロール
などを確認します。
② 一緒に指摘された項目も確認する
- 血圧
- 血糖値・HbA1c
- 腎機能
- 体重・腹囲
なども見てみましょう。
③ 自分のリスクを「LDLだけ」で考えない
さらに、
- 年齢
- 喫煙
- 高血圧
- 糖尿病
- 腎機能
- 心筋梗塞や脳梗塞などの既往
- 家族歴
なども重要です。
動脈硬化性疾患のリスクは、一つの数字ではなく、複数の危険因子を合わせて考えることが大切です。

「健診で脂質異常症を指摘されたら?脳の血管リスクも考える」
健康診断で脂質異常症を指摘されたとき、大切なのはコレステロールの数値だけを見るのではなく、動脈硬化や脳梗塞につながるほかの危険因子も含めて考えることです。
例えば、
- 高血圧や糖尿病も指摘されている
- 喫煙習慣がある
- 脳梗塞やTIA(一過性脳虚血発作)の既往がある
- 頸動脈プラークや頸動脈狭窄を指摘されたことがある
- 家族に脳卒中や心血管疾患を経験した方がいる
といった場合には、脂質の数値だけではなく、動脈硬化や脳血管疾患のリスクを総合的に考えることが重要です。
そして脳神経外科では、必要に応じて頸動脈や脳血管に実際にどのような変化があるのかという視点から評価します。
特に、
- 突然、片方の手足に力が入らなくなった・しびれた
- ろれつが回らなくなった
- 言葉が出にくくなった
- 一時的にこのような症状が出て元に戻った
といった症状がある場合には、単なる「コレステロールの相談」として考えるのではなく、脳梗塞やTIAなどを念頭に速やかな評価が必要です。
脂質異常症で見るべきなのは、コレステロールの数字だけではありません。
その背景にある動脈硬化と、脳・頸動脈への影響まで考えることが大切です。
脂質異常症の治療や管理については、状態に応じて内科などと連携しながら行います。
「薬を飲まないといけませんか?」
健診で基準値を超えたからといって、全員が同じ治療を受けるわけではありません。
食事、運動、禁煙など生活習慣の改善を行いながら、その人のリスクに応じて薬物療法が検討されます。
特に脳卒中予防という視点では、コレステロールだけを見るのではなく、
高血圧・糖尿病・喫煙・心房細動など、ほかの危険因子も一緒に管理することが重要です。
よくある質問|脂質異常症の症状・コレステロールについて
脂質異常症にはどんな症状がありますか?
脂質異常症は、多くの場合ほとんど自覚症状がありません。
そのため、「体調が悪くなって気づく」というより、健康診断などの血液検査でLDLコレステロールや中性脂肪の異常を指摘されて初めて気づくことがあります。
一部の脂質異常症では、黄色腫やアキレス腱の肥厚などがみられることがあります。
LDLコレステロールが高いのに症状がないのは普通ですか?
はい。LDLコレステロールが高くても、自覚症状がないことは珍しくありません。
脂質異常症は症状が出にくいため、「何も症状がない=問題がない」とは判断できません。
LDLコレステロールなどの数値に加えて、年齢、高血圧、糖尿病、喫煙、心血管疾患・脳血管疾患の既往などを含めて、動脈硬化性疾患のリスクを考えることが大切です。
脂質異常症で頭痛は起こりますか?
頭痛は、脂質異常症に特徴的な症状ではありません。
健康診断でコレステロールが高いと指摘され、同じ時期に頭痛があったとしても、すぐに両者を結びつけることはできません。
頭痛には片頭痛や緊張型頭痛などさまざまな原因があります。突然の激しい頭痛や、麻痺・しびれ・ろれつが回らないなどの症状を伴う場合には、脳卒中などを考えて速やかな受診が必要です。
脂質異常症でめまいや肩こりは起こりますか?
めまいや肩こりも、脂質異常症に特徴的な症状ではありません。
めまいや肩こりにはさまざまな原因があります。特にめまいでは、症状の出方や一緒に現れる症状によって、耳の病気だけでなく脳の病気を確認する必要がある場合もあります。
コレステロールが高いと脳梗塞になりやすいですか?
高LDLコレステロール血症などは、動脈硬化性疾患の重要な危険因子の一つです。
脂質異常症があるから必ず脳梗塞になるわけではありませんが、
脂質異常症などの危険因子 → 動脈硬化 → 頸動脈や脳へ向かう血管の病変 → 脳梗塞
という経路で関係することがあります。
脳梗塞の中でも、脂質異常症との関係では、動脈硬化を背景とするアテローム血栓性脳梗塞が特に重要です。
LDLコレステロールが高いと、すでに血管が詰まっているのですか?
LDLコレステロールの数値だけでは、血管が狭くなっているかどうかは分かりません。
血液検査は血液中の脂質を調べる検査です。一方、頸動脈エコーなどの画像検査では、血管壁やプラーク、狭窄、血流などを評価します。
つまり、「コレステロールの数値」と「実際の血管の状態」は別の情報です。
脂質異常症なら頸動脈エコーを受けた方がいいですか?
脂質異常症があるという理由だけで、すべての方に頸動脈エコーが必要になるわけではありません。
年齢や症状、既往歴に加えて、高血圧、糖尿病、喫煙などの危険因子を踏まえて検査の必要性を考えます。
頸動脈エコーでは、頸動脈のプラークや狭窄、血流などを評価できます。
頸動脈にプラークがあると脳梗塞になりますか?
頸動脈プラークがあるからといって、必ず脳梗塞を発症するわけではありません。
プラークの大きさや性状、血管の狭窄の程度、神経症状の有無、ほかの動脈硬化の危険因子などを合わせて評価します。
必要に応じて、頸動脈エコー以外の画像検査を用いて、さらに詳しく評価することがあります。
脂質異常症は「症状がない」からこそ健診結果が大切
健康診断で、
「LDLコレステロールが高い」
と言われたのに、体調はいつも通り。
これは珍しいことではありません。
脂質異常症は、多くの場合症状で気づく病気ではないからです。
頭痛やめまい、肩こりも、脂質異常症に特徴的な症状ではありません。
では何に注意するのか。
脂質異常症で注目したいのは、その先にある「動脈硬化」です。
そして脳神経外科の視点から、もう一つ覚えていただきたいのが、
「血液中のコレステロールの数値」と「実際の血管の状態」は別の情報ということです。
LDLコレステロールが高いからといって、すでに頸動脈が狭くなっているとは限りません。
同時に、症状がないことだけで血管の状態を判断することもできません。
だからこそ、
健診の数字だけを見るのでもなく、症状だけを見るのでもなく、血圧・糖尿病・喫煙・既往歴なども含めて自分のリスクを考える。
これが大切です。
そして、
- 顔の片側が突然ゆがむ
- 片方の手足に力が入らない
- ろれつが回らない
- 言葉が出にくい
などの症状が突然現れた場合には、
「脂質異常症の症状かな?」と考える場面ではありません。
脳卒中の可能性を考え、速やかな救急受診が必要です。
医師プロフィール
林 祥史 院長
私立灘高校卒/東京大学医学部医学科卒
けやき脳神経リハビリクリニック 院長
資格・所属学会
【資格】 日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医、日本脳血管内治療学会認定 脳血管内治療専門医
【所属学会】 日本脳神経外科学会、日本脳血管内治療学会、日本脳卒中学会、日本リハビリテーション医学会、日本頭痛学会、日本めまい平衡医学会、American Academy of Family Physicians、Cambodian Medical Association
クリニック情報
けやき脳神経リハビリクリニック
院長:林 祥史(・日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医・日本脳血管内治療学会認定 脳血管内治療専門医)
所在地:東京都目黒区下目黒2-14-13下目黒HAPPYビル1~3階(受付2階)
診療科目:脳神経外科・リハビリテーション科・内科
検査設備:MRI、レントゲン、超音波など
公式サイト:https://keyaki-nrc.com/
参考資料
- 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」
- 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2023年版」
- 日本動脈硬化学会「脂質異常症診療のQ&A」
- 国立循環器病研究センター「脂質異常症」