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GLP-1受容体作動薬(マンジャロ・ゼップバウンド・ウゴービ・リベルサス)を使う際のBMIの基準とは?

2026.09.22 ブログ

肥満症とは?

「肥満」と「肥満症」は、同じように使われることがありますが、医学的には異なる意味を持ちます。ここでは「肥満症」の定義と、けやきのメディカルダイエット外来(自費診療)で考えている、投薬を開始するBMIの基準についてご説明いたします。

肥満とは

世界保健機関(WHO)は、肥満を「健康に悪影響を及ぼすほど体脂肪が過剰に蓄積した状態」と定義しています。

実際の診療では、肥満の程度を表す指標として BMI(Body Mass Index:体格指数) が広く用いられています。

日本では、

  • BMI 18.5未満:低体重
  • BMI 18.5~25未満:普通体重
  • BMI 25以上:肥満

と定義されています。

しかし、BMIが25以上だからといって、すべての方が病気というわけではありません。


肥満症とは

「肥満症」とは、単に体重が多い状態ではなく、肥満によって健康障害が起きている、あるいは将来起こる可能性が高いため、医学的な治療が必要な状態を指します。

日本肥満学会では、

  • BMI25以上であること
  • さらに、高血圧、糖尿病、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群、脂肪肝、変形性関節症などの肥満関連健康障害を伴う場合

などに肥満症と診断されます。

肥満症は、見た目の問題ではなく、「治療が必要な病気」です。


アジア人ではBMI23以上から健康リスクが高くなります

日本ではBMI25以上を「肥満」と定義していますが、これはあくまで肥満の判定基準です。

一方、アジア人では欧米人と比較して、同じBMIでも体脂肪率が高く、糖尿病や高血圧、脂質異常症、脳卒中などの生活習慣病を発症しやすいことが知られています。

そのため、WHO専門家会議(WHO Expert Consultation, 2004)では、アジア人ではBMI23 kg/m²以上から健康リスクが高まり始めることが示され、BMI23以上を「公衆衛生上の介入開始の目安(Public Health Action Point)」*と位置付けています。

* WHO Expert Consultation.
Appropriate body-mass index for Asian populations and its implications for policy and intervention strategies.
Lancet. 2004;363(9403):157-163.

つまり、「まだBMI25未満だから安心」というわけではなく、BMI23以上の段階から生活習慣を見直すことが、将来の病気を予防するうえで重要と考えられています。


当院ではBMI23以上の方も診療対象としています

当院では、このWHO専門家会議の考え方に加え、日本人ではBMI25未満でも生活習慣病を発症する方が少なくないことを踏まえ、BMI23以上で、

  • 健康診断で異常を指摘された方
  • 将来の生活習慣病を予防したい方
  • 健康的に体重を減らしたい方
  • 脳卒中や心筋梗塞などのリスクを下げたい方

を対象に、メディカルダイエット外来を行っています。

もちろん、BMIだけで治療を決めることはありません。年齢や既往歴、血液検査、生活習慣、ご本人の目標などを総合的に評価したうえで、一人ひとりに最適な治療をご提案します。


肥満症は治療できる病気です

肥満症は、「意志が弱いから」「食べ過ぎだから」という単純な問題ではありません。

食欲を調節するホルモンや脳の働き、睡眠、ストレス、運動習慣、遺伝的な体質など、さまざまな要因が複雑に関係しています。

近年では、GLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬などの新しい治療法も登場し、医学的に安全かつ効果的な減量が可能になってきました。

適切な体重管理は、糖尿病や高血圧だけでなく、脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気の予防にもつながります。

当院では、「体重を減らすこと」をゴールとするのではなく、その先にある健康で長く元気に暮らせる人生を目指して、皆さまをサポートしてまいります。

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