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MRI検査中に動いてしまったら?咳・くしゃみ・飲み込みで画像はどうなる?

MRI検査中の咳やくしゃみ、飲み込みや体動について解説する記事のアイキャッチ

MRI検査を受けていると、

「さっき少し動いちゃったけど大丈夫かな?」

「咳が出そう。でも我慢した方がいい?」

「唾を飲み込んじゃった……」

「手の位置を少し変えるのもダメ?」

普段なら気にならないようなことまで、急に気になってしまうことがあります。

特に「MRIでは動かないでください」と言われると、身体をまったく動かしてはいけないように感じてしまう方もいます。

でも、そこまで身構える必要はありません。

MRIは確かに動きの影響を受けやすい検査ですが、少し動いた=検査失敗、最初から全部撮り直しというわけではありません。

頭のMRIなら、特に大切なのは撮影している頭をできるだけ動かさないことです。手が疲れて少し位置を変えることまで、必要以上に心配する必要はありません。

また、咳やくしゃみは完全に我慢できるものでもありません。

喉の調子などをあらかじめ教えてもらえれば、こちらから「今なら咳払いして大丈夫ですよ」と声をかけながら検査を進めることもできます。

今回は、MRI検査中に動いてしまったら画像はどうなるのか、実際にはどのくらい動かずにいればいいのかを、普段MRI検査を行っている立場からお話しします。

MRI検査中に少し動いたら、画像はどうなる?

MRIは、スマートフォンで「パシャッ」と一瞬で写真を撮るのとは仕組みが違います。

ただ、「どこを撮っているのか」をイメージするには、スマートフォンの写真を思い浮かべると少し分かりやすいかもしれません。

たとえば、スマートフォンで顔の写真を撮るとします。

撮影する瞬間に顔が大きく動けば、きれいに撮れないことがあります。

一方で、顔はじっとしていて、手の位置を少し変えた程度なら、顔の写真にはほとんど影響しません。

頭のMRIも、感覚としては少し似ています。

もちろんMRIとスマートフォンでは、画像を作る仕組みはまったく違います。

頭のMRIで特に動かさないでほしいのは、撮影している頭の位置です。

身体を大きく動かせば、その動きが頭にも伝わります。ただ、

「MRIだから、指先まで全身を固めて一切動いてはいけない」

と考える必要はありません。

MRIでは身体から得られる信号を一定時間集めながら画像を作っています。その途中で撮影しているところが動くと、画像がぼやけたり、輪郭が繰り返して見えるような乱れが生じたりすることがあります。

これを体動アーチファクトと呼びます。MRIでの体動は、ぼやけやゴースト状の乱れなどを生じさせることが知られています。

少し難しい言葉ですが、

「撮っているところが動くと、画像が乱れて見えにくくなることがある」

と考えてもらえば十分です。

少し動いたら、全部撮り直しになる?

ここは心配される方が多いところです。

MRIは最初から最後まで、一つの画像をずっと撮り続けているわけではありません。目的の異なる画像をいくつかに分けて、順番に撮影しています。

そのため、

検査中に少し動いた

撮れた画像を確認

診断に必要な画像が撮れている

そのまま次の撮影へ

ということもあります。

反対に、動きによる乱れが大きく、必要なところが見えにくければ、影響を受けた撮影をもう一度行うことがあります。体動によって画質が診断に十分でなくなった場合、撮影を繰り返すことがある点もMRIの体動に関する報告と一致します。

つまり、

「さっき動いたから、全部ダメになったかも……」

と心配しなくて大丈夫です。

こちらで実際に撮れた画像を確認しながら検査を進めています。

頭部MRIの通常画像と体動アーチファクトが生じた画像を比較し、動いた場合の画像確認と再撮影の流れを示した図解

検査がどのような順番で進むのかをあらかじめ知っておきたい方は、「MRI検査の流れ|検査前の準備・当日の手順・注意点」も参考にしてください。

頭のMRIでは、どこまで動いて大丈夫?

頭のMRIを担当していると、「手はどこに置けばいいですか?」と聞かれることがよくあります。

「動かないでください」と言われると、手や指までずっと同じ位置にしておかなければいけないように感じますよね。

でも、頭のMRIで特に動かさないでほしいのは頭の位置です。

手の位置を少し変える程度なら?

最初に手を楽な位置に置いてもらうのが一番ですが、検査が進むうちに、

「手が疲れてきた」、「指先が気になる」、「少し位置を変えたい」

ということもあります。

そんなとき、頭や身体を大きく動かさずに手の位置を少し変える程度まで、必要以上に怖がる必要はありません。

指一本動かさないように、ずっと全身に力を入れておく必要もありません。

むしろ最初に楽な位置を決めて、できるだけ力を抜いて横になってください。

動かしたいときは、撮影の区切りを待つのもコツ

MRIでは撮影中、「ガガガガ」、「トントントン」、「ドンドンドン」といった大きな音が聞こえます。

一つの撮影が終わると音が止まり、次の撮影まで少し静かになる時間があります。

手が疲れて少し位置を直したい場合には、大きな音が鳴っている最中ではなく、こうした撮影の区切りを待つのも一つのコツです。

ただし、

「音が止まった=自由に身体を動かしていい」

という意味ではありません。

頭の位置はできるだけそのままにしてください。

身体の向きを変えたい、腕を大きく動かしたい、腰が痛くて姿勢そのものを変えたい場合は、自分で大きく動く前にスタッフへ知らせてもらう方が安心です。

「手だけでなく、目を動かすのもダメなの?」と気になる方は、「MRI検査中は目を開ける?閉じる?」でも詳しく解説しています。

咳・くしゃみ・飲み込みは我慢した方がいい?

MRIの中で、「咳が出そう。でも今は我慢しなきゃ……」と思ってしまう方もいます。

でも、咳やくしゃみは「出さないようにしよう」と思って、完全に我慢できるものではありません。

むしろ、「咳をしちゃいけない」、「喉を動かしちゃいけない」と意識するほど喉が気になって、検査そのものがつらくなってしまうこともあります。

必要以上に心配しなくて大丈夫です。

撮影中に大きく頭や身体が動けば、その画像に影響することはあります。

それでも、一度咳やくしゃみをしただけで、検査全体がダメになるわけではありません。

撮れた画像はこちらで確認します。必要であれば、その部分をもう一度撮影します。

喉がイガイガする、咳払いしたくなるときは先に教えてください

風邪というほどではなくても、「今日は少し喉がイガイガする」、「横になると咳が出やすい」、「ときどき咳払いしたくなる」

ということがあります。

そんなときは、検査が始まる前に一言教えてください。

あらかじめ分かっていれば、撮影の区切りでマイクから、

「今なら咳払いして大丈夫ですよ」

とお声がけしながら進めることもできます。

ずっと我慢してもらうことが目的ではありません。

咳払いできるタイミングで一度楽にしてもらい、また次の撮影へ進む。その方が無理なく検査を受けられることもあります。

もちろん、急に咳やくしゃみが出てしまうこともあります。

そのときも、「動いちゃった」、「検査を失敗させちゃった」と慌てなくて大丈夫です。

こちらで画像を確認しながら進めています。

唾を飲み込んでも大丈夫?

MRIの中に入ると、普段なら気にもしない「唾を飲み込む」という動作が急に気になることがあります。

「飲み込んだら動いたことになる?」

そう思い始めると、余計に喉が気になってしまいますよね。

唾を飲み込むと、喉や首は動きます。嚥下もMRIで画像に影響し得る生理的な動きの一つです。

ただし、一度唾を飲み込んだからといって、MRI検査が失敗するわけではありません。

「絶対に飲み込んじゃいけない」と無理に我慢する必要もありません。

特に動きを抑えてほしい撮影では、必要に応じてこちらからお声がけします。

基本的には、検査中のスタッフの案内に合わせてもらえれば大丈夫です。

MRI検査中に咳が出そうなとき、我慢しすぎずスタッフに伝えて撮影の区切りで咳払いする流れを示した図解

痛い・かゆい・姿勢を変えたいときは?

MRIの途中で、「鼻がかゆい」、「肩がつらくなってきた」、「腰が痛い」、「少し姿勢を変えたい」

ということもあります。

そんなときに避けたいのは、ずっと我慢して、限界になったところで大きく動いてしまうことです。

少し姿勢を直したい、痛みが強くなってきた、咳が続いている。

そんなときは無理をせず、スタッフへ知らせてください。当院では検査中にブザーをお渡ししています。

「こんなことで押していいのかな?」と遠慮しなくて大丈夫です。

撮影の区切りを見ながら対応します。

もし「怖い」「これ以上続けるのがつらい」と感じた場合も、無理に我慢する必要はありません。

途中で検査を止めた場合、撮影済みの画像はどうなるのか、再検査はどうなるのかについては、「MRIを途中でやめたらどうなる?」で詳しく解説しています。

また、呼吸については、こちらから特別な指示がなければ、いつも通り呼吸してください。

「MRIは動いちゃいけないから」と、自分でずっと息を止める必要はありません。

息止めが必要な撮影では、こちらからタイミングをお伝えします。

検査前に教えてほしいこと

MRIでは、患者さんに頑張って動きを我慢してもらうだけが方法ではありません。

こちらも、できるだけ検査を受けやすい状態を作りながら進めます。

たとえば、

  • 喉がイガイガして咳が出そう
  • くしゃみが出やすい
  • 仰向けになると腰が痛い
  • 肩や首がつらい
  • 同じ姿勢を長く続けるのが苦手
  • 閉所が怖い
  • 以前MRIを途中でやめたことがある
  • 「動いちゃいけない」と思うと緊張してしまう

こうしたことがあれば、検査前に教えてください。

「検査には関係ないかな?」と思うようなことでも大丈夫です。

先に分かっていれば、

「今なら咳払いして大丈夫ですよ」

「次の撮影が終わったら一度声をかけますね」

など、こちらから声をかけながら進めることもできます。

MRIが怖い、閉所が苦手という方も、検査が始まってから我慢するのではなく、できれば最初に教えてください。

【MRIが怖い・閉所が苦手な方へ】

閉所への不安だけでなく、ネイル・タトゥー・アートメイクなど、MRI検査を受ける前に気になることがある方は、当院のMRI不安サポートページをご覧ください。
MRI検査が怖い方・不安がある方へのご案内

【当院のMRI検査について】

当院のMRI装置や検査対応について詳しく知りたい方はこちらです。
当院のMRI検査について

よくある質問

MRIで少し頭を動かしてしまいました。大丈夫ですか?

少し動いたからといって、必ず撮り直しになるわけではありません。

実際に撮れた画像を確認し、診断に必要なところがきちんと見えていれば、そのまま次の撮影へ進みます。

動きの影響が大きければ、必要な撮影をもう一度行うことがあります。

頭のMRIで手を少し動かしても大丈夫ですか?

頭のMRIで特に動かさないでほしいのは頭の位置です。

手が疲れて位置を少し変える程度まで、必要以上に怖がる必要はありません。

ただし、手を動かすことで身体や頭まで一緒に大きく動かないようにしてください。

MRIの音が止まっているときなら動いてもいいですか?

手の位置を少し直したい程度なら、大きな音が鳴っている撮影中より、撮影の区切りを待つのも一つの方法です。

ただし、音が止まっていれば自由に身体を動かしてよいわけではありません。

特に頭の位置はそのままにして、姿勢を大きく変えたい場合はスタッフへ知らせてください。

咳をしたら最初から全部撮り直しですか?

一度咳をしただけで、最初からすべて撮り直すとは限りません。

画像を確認し、動きの影響があれば必要な撮影をもう一度行います。

また、咳は無理に我慢し続けなくて大丈夫です。

喉の違和感や咳があることがあらかじめ分かっている場合は、検査前に教えてください。

撮影の区切りで「今なら咳払いして大丈夫ですよ」とお声がけしながら進めることもできます。

撮り直しになったら被ばくしますか?

MRIはX線を使用しないため、再撮影によってX線による被ばくが増えることはありません。

MRIは強い磁場と電波を使って画像を作り、電離放射線は使用しません。

ただし、撮り直した分だけ検査時間は長くなります。

MRIは、患者さんと一緒にきれいな画像を作っていく検査です

MRIでは、できるだけ同じ姿勢でいてもらうことで、きれいな画像を撮りやすくなります。

特に頭のMRIでは、撮影している頭の位置をできるだけ動かさないことが大切です。

でも、

「絶対に何も動かしちゃいけない」

と全身に力を入れて頑張り続ける必要はありません。

手が疲れることもあります。

喉がイガイガすることもあります。

咳やくしゃみが出ることも、唾を飲み込みたくなることもあります。

そうしたことを全部我慢してもらうのが、よいMRI検査だとは私たちは考えていません。

MRI検査は、私たちが一方的に「撮る」ものではなく、患者さんと私たちが一緒に、診断に必要なきれいな画像を作っていくものだと考えています。

だからこそ、

「今日は少し咳が出そうです」

「腰が痛くなりそうです」

「MRIがちょっと怖いです」

そんなことも、検査前に遠慮なく教えてください。

こちらも状態に合わせて姿勢を考えたり、撮影の区切りで「今なら咳払いして大丈夫ですよ」と声をかけたりしながら検査を進めます。

そして、もし途中で少し動いてしまっても、すぐに「失敗した」と思わなくて大丈夫です。

撮れた画像はこちらで確認します。

必要ならその部分をもう一度撮りますし、問題なく撮れていればそのまま次へ進みます。

患者さんだけが「動かないように」と頑張るのではなく、私たちだけが「撮る」のでもない。

お互いに声をかけながら、できるだけ無理なく、診断に必要な画像を一緒に作っていく。

当院では、そんなMRI検査を大切にしています。

医師プロフィール

林 祥史 院長
私立灘高校卒/東京大学医学部医学科卒
けやき脳神経リハビリクリニック 院長

資格・所属学会
【資格】 日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医、日本脳血管内治療学会認定 脳血管内治療専門医

【所属学会】 日本脳神経外科学会、日本脳血管内治療学会、日本脳卒中学会、日本リハビリテーション医学会、日本頭痛学会、日本めまい平衡医学会、American Academy of Family Physicians、Cambodian Medical Association

クリニック情報

けやき脳神経リハビリクリニック

院長:林 祥史(・日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医・日本脳血管内治療学会認定 脳血管内治療専門医)
所在地:東京都目黒区下目黒2-14-13下目黒HAPPYビル1~3階(受付2階)
診療科目:脳神経外科・リハビリテーション科・内科
検査設備:MRI、レントゲン、超音波など
公式サイト:https://keyaki-nrc.com/

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