台風や低気圧で頭がフワフワ…危険なめまい?【原因・症状・対処法を看護師が解説】

「台風が近づくと頭がフワフワする…」
「低気圧の日は立ち上がるとクラッとする…」
気圧の変化が大きい季節、めまいに悩まされる方は少なくありません。
私自身も時々めまいを感じ、薬で対処することがあります。めまいは軽度で日常生活に支障がないものから、起き上がれないほど強いものまでさまざまです。
しかし、なかには 脳出血や脳梗塞など命に関わる危険なめまい が隠れていることもあります。
本記事では、台風や低気圧によるめまいの原因・種類・対処法、そして「これって危ないの?」と不安を感じたときの行動について解説します。
めまいの原因は大きく3種類
めまいの原因は大きく分けて3つあります。
- 末梢性めまい(耳が原因)
内耳(三半規管や前庭)の異常で起こります。メニエール病や良性発作性頭位めまい症など。 - 起立性低血圧(立ちくらみ)
急に立ち上がった際、血圧が急低下して起こります。 - 中枢性めまい(脳が原因)
脳出血・脳梗塞など脳疾患が原因で、特に注意が必要です。
「めまいの感じ方」でも分類されます。

グルグル回るように感じる

体がフワフワ浮いているように感じる

意識が遠のき、目の前が真っ暗になる
台風・低気圧でめまいが起こる理由
「なぜ気圧の変化でめまいが増えるのか?」
内耳には気圧の変化を感知するセンサーがあり、台風や低気圧の際に 自律神経が乱れることでめまいが生じやすくなります。
耳性めまいの特徴
- グルグル回る回転性めまい+強い吐き気
- 頭を動かすと悪化する
- 耳の閉塞感・耳鳴り・難聴を伴うこともある
低気圧めまいを軽くする対処法
- めまい体操(エプリー法・ブラントダロフ法)
耳石が原因のめまいに有効。無理のない範囲で実施。 - 生活の工夫
天気アプリの「気圧予報」や「めまい予報」で備える。 - 薬での予防
めまい止めを天候に応じて服用すると症状が軽くなる場合も。
強いめまいの最中は 無理に起き上がらず安静に。
症状が落ち着いてから少しずつ体を動かすと、回復が早まることもあります。
立ちくらみのような「前失神性めまい」
意識が遠のくような立ちくらみは、脳への血流不足が原因のことがあります。
考えられる要因
- 血圧低下(起立性低血圧、不整脈)
- 貧血や脱水
- 血糖値の低下(糖尿病など)
- 睡眠不足や強いストレス
これらは採血や心電図で確認できます。特に 不整脈 は、通常の心電図では見逃されることもあるため、当院では、自宅でご自身で装着していただけるTシャツ型ホルター心電図を導入しており、簡単に検査が可能です。
命に関わる「危険なめまい」のサイン
多くのめまいは耳や自律神経が原因ですが、 脳疾患によるめまいは命に直結 することがあります。
以下の症状がある場合は要注意です。
- フワフワするめまいが持続する
- 片側の手足にしびれ・麻痺がある
- 顔のゆがみ(片方だけ笑えないなど)
- 手がうまく動かせない、物を落とす
- 飲み込みづらい、声がかすれる
耳のめまいより軽く感じられることもあり、「いつものめまい」と誤解されやすいですが、これらがある場合は すぐに受診が必要です。
「いつものめまい」に潜む危険 ― 実際の症例
救急外来での経験例です。
普段からめまいで通院していた女性が「またいつものめまい」と来院しましたが、点滴でも改善せず。MRIを撮影すると 小脳出血 と判明しました。
「たかがめまい」と自己判断するのは非常に危険です。不安を感じたら、早めに専門医へ相談し検査を受けましょう。
当院でできる検査・治療
めまいが気になるときは、まずは 脳神経外科 にご相談ください。
「脳神経外科は敷居が高い…」と感じる方もいますが、正しい診断のためには欠かせないステップです。
当院では、【当日MRI検査】【当日結果説明】が可能で、一度の来院でめまいの原因を診察することができます。
よくある質問(FAQ)
低気圧でめまいが出やすいのはなぜ?
内耳のセンサーが気圧の変化に反応し、自律神経が乱れるためです。
めまいは何科を受診すべき?
耳の症状(耳鳴り・難聴)が強ければ耳鼻科、脳の病気を否定したい場合は脳神経外科が適しています。
めまいが続くと危険?
長引くめまいや神経症状(しびれ、顔のゆがみなど)がある場合は脳疾患の可能性があり、早急な受診が必要です。
まとめ
台風や低気圧で起こるめまいの多くは耳や自律神経が関係しますが、なかには脳の病気が隠れていることもあります。
「いつものこと」と軽視せず、不安を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。
当院ではMRI検査を含めた精密診断により、めまいの原因を一度の来院で診察することができます。