MRI検査の音の正体とは?わかりやすく身近な例えで考える!
MRI検査を受けると、特徴的な「ドンドン」「ガガガ」という大きな音が鳴り響きます。慣れている医療スタッフにとっては日常的なものでも、患者さんにとっては不安を感じる要因の一つです。
「なぜあんな大きな音が鳴るの?」
「怖いし、不快だけど、どうして避けられないの?」
そう思ったことがある方も多いのではないでしょうか。実は、この音には重要な理由があり、それを知ることで検査への不安が軽減されるかもしれません。本記事では、MRI検査中の音の仕組みをわかりやすく、身近な例えを用いて解説します!さらに、当院の音対策についてもご紹介します。
MRI検査中の音が鳴る理由
MRI装置は、強力な磁場と電流の相互作用によって動作します。この仕組みの中で、音の発生に大きく関係するのが「電流」と「振動」です。
MRI内部では、電流が高速で「オン・オフ」を繰り返すことで、装置内の部品が振動し、大きな音を生み出しています。この現象を、もっと身近な例で説明してみましょう。
音の仕組みを“スプリング遊具”でイメージ
公園にある「スプリング遊具」を思い浮かべてみてください。
遊具に乗って体を揺らすと、スプリングが「ギュッ」「ギュッ」と伸び縮みしながら音を発しますよね。この音は、バネが動くことで遊具全体が振動し、それが耳に届いているのです。
では、これを超高速で揺らしたらどうなるでしょうか?
1.振動が速くなると音が連続的になる
ゆっくり揺らすと「ギュッ」「ギュッ」という間隔のある音ですが、揺れる速度がどんどん速くなると、「ギュギュギュ ギュ……」と連続音に変わります。
2. さらに高速化すると音が変わる
速度をさらに上げると「ギーーーーー」というような響きのある音に変化します。これは、振動が速すぎて音が重なり合い、一つの連続した大きな音になるからです。
MRI装置の中では、これと同じことが起きています。電流のオン・オフによって部品が高速で動き、結果として「ドンドン」「ガガガ」といった連続音が発生しているのです。
MRI装置の中で何が起きているの?
MRI装置内部では、以下のプロセスが高速で繰り返されています
1. 強力な磁場が発生
MRIの基本的な仕組みである強力な磁場が作られます。これが体内の水分子(主に水素原子)に働きかけ、画像の元になるデータを得る準備を整えます。
2. 電流がオン・オフを繰り返す
電流が流れることで「力」が発生し、その力がMRI内部のコイルや部品に働きます。電流が高速で切り替わるたびに、装置内部の部品が伸び縮みし、振動します。
3. 振動が音として聞こえる
この振動が、装置内部から外に伝わります。その結果、私たちが検査中に聞く「ドンドン」「ガガガ」という音が発生します。
当院の音対策について
MRI装置の音は、以下の理由で特に大きく聞こえます
磁場の強さ(3テスラ、1.5テスラと言われているもの):MRIは非常に強力な磁場を使用しているため、発生する力が大きく、それに伴う振動音も大きくなります。
高速な動作:部品が超高速で動くことで、音がさらに増幅されます。
しかし、この音はあくまで「正常に装置が動いている証拠」です。「体の内部を丁寧に調べてくれている音」と考えると、不安が和らぐかもしれませんね。
また、当院では、耳栓やヘッドホンを使用した音楽の提供によって、患者さんが検査中にできる限り快適に過ごせるよう対策を行っています。これらの対策を利用することで、音の不快感を軽減し、リラックスした状態で検査を受けられるようサポートしています。
MRIの音の仕組みを知って検査を安心に
MRI検査中に聞こえる「ドンドン」「ガガガ」という音は、装置内部の電流や振動が生み出しているものです。その仕組みを「スプリング遊具」に例えると理解しやすいですよね。
さらに、当院で提供する耳栓やヘッドホンを用いた音楽を利用することで、不安を軽減しながら検査を受けることができます。
音が大きく聞こえる理由を知っておくと、検査中も「これが必要なプロセスなんだ」と納得できるはずです。次回MRI検査を受ける際には、ぜひこの記事の内容を思い出してみてください!