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MRIを途中でやめたらどうなる?費用・画像・再検査をMRIスタッフが徹底解説

MRI 途中でやめた

「閉所恐怖症でブザーを押してしまった…」 「怖くて途中でやめたけど、これって私だけ?」 「高額な費用を払うの?途中までの画像は無駄になる?」

MRI検査を途中で断念してしまうと、多くの方が「病院に迷惑をかけた」「自分はダメだ」と強い不安や罪悪感を感じてしまいます。

しかし、結論から申し上げます。MRI検査を途中でやめることは、決して珍しいことではありません。

医療現場では、閉所不安、音への恐怖、体調不良などで中断される方は一定数いらっしゃいます。この記事では、MRIスタッフの視点から「中断した後のリアルな疑問」にお答えし、安心して次の一歩を踏み出すための方法を解説します。

「自分だけじゃない」:当院のスタッフのMRI体験談
同じ不安を抱えながら、検査に挑んだ方のエピソードをこちらで紹介しています。[MRIが怖い、閉所恐怖症の私が挑んだ検査]

1. MRIを途中でやめたらどうなる?

まずは、患者様からよく受ける「現実的な3つの疑問」に回答します。

① 費用はどうなる?(全額払うの?)

MRIを途中でやめた場合の費用は、一般的に「その時点までの画像で診断が可能かどうか」で判断されます。

  • 診断可能な情報が得られた場合: 検査は「実施」とみなされ、所定の検査料が発生します。
  • ほとんど撮影できなかった場合: 検査は「中止」扱いとなり、MRI検査料はかからないケースが多いです。

※病院の規定によりますが、「受けられなかったものに全額払う」という理不尽なことはまず起きません。

② 途中までの画像は無駄になる?

いいえ、無駄にはなりません。 MRIは一度に10分撮り続けるのではなく、数分単位のメニュー(パート)を組み合わせています。中断するまでに撮り終えたパートのデータは保存されており、それだけでも医師が重大な病気の有無を判断する貴重な手がかりになります。

③ スタッフに迷惑をかけた?

全くそんなことはありません。 むしろ、無理をして中でパニックになったり動いてしまったりするよりも、早めにブザーで知らせていただく方が安全です。私たちは「中断」を責めるのではなく、「次はどうすれば楽に受けられるか」を一緒に考えるパートナーです。

2. 実は「ずっと撮っている」わけではない:検査時間の考え方

MRIは「10分間ずっとトンネル内で耐えなければならない」と思われがちですが、実際の中身は「数十秒〜数分の短い撮影」の詰め合わせです。

多くの施設ではトータル15分〜20分ほどかかりますが、当院の場合、頭の通常の検査時間はトータルで約10分。実際に大きな音が鳴っている時間は「10分未満」に設定されています。

MRI撮影パート別の内訳(一例)

「10分の巨大な壁」ではなく、「1分や3分のステップを数回クリアする」と考えれば、少し気が楽になりませんか?

撮影名(パート)役割(何がわかるか)撮影時間の目安
位置合わせ撮影角度などの基準約10秒
DWI(拡散強調画像)超急性期の脳梗塞の早期発見約1分
FLAIR(フレア)古い脳梗塞の痕・出血・むくみ約1分30秒
T2スター(T2*)微小な出血(脳出血の痕跡)の確認約40秒
MRA(脳血管撮影)脳動脈瘤など血管の異常を確認約3分

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そもそもMRIってどんな手順で進むの?と疑問に思った方は、こちらのガイド記事で全体の流れを予習しておくと安心です。 [MRI検査の流れについて]

3. 当院の工夫:中断を前提とした「撮影順序」の最適化

当院では、万が一途中で検査が止まってしまった場合でも、「その患者さんにとって最も有益な情報」が残るよう、撮影の順番を工夫しています。

  • 脳梗塞が疑われる場合: 最も重要な「DWI(約1分)」を最優先で撮影します。
  • 脳動脈瘤の検査が目的の場合: 血管を確認する「MRA(約3分)」を序盤に持ってきます。
  • 頭部外傷(特にお子様)の場合: 出血を見つけやすい「FLAIR(約1分30秒)」を先に撮ります。

このように、たとえ「途中でやめた」としても、その検査が「意味のある検査」になるよう全力を尽くしています。

4. 完遂への新提案:休憩を挟む「区切り検査(ステップ方式)」

「10分間、絶対に動いてはいけない」というプレッシャーがパニックを引き起こします。そこで当院では、不安が強い方に「最初から休憩を挟む前提の検査」を提案しています。

  1. 3分撮影する(血管を撮る)
  2. 一度トンネル(穴)の外に出て、深呼吸する
  3. スタッフと会話してリラックスし、落ち着いたら次の2分へ挑む

これは「中断(失敗)」ではなく、「休憩を挟みながら進める計画的な完遂メソッド」です。「いつでも出られる、途中で休める」というコントロール感があるだけで、他院で断念した方の多くが、当院で最後まで撮り切ることに成功しています。

当院の具体的な対策をもっと詳しく
アイマスクや声掛けなど、当院が具体的にどのような環境作りを行っているかはこちらにまとめています。 [閉所恐怖症の方へ|MRIを乗り切る当院の工夫]

5. MRI中断に関するFAQ(よくある質問)

閉所恐怖症ですが、どうしてもMRIを受けなければなりません。

当院では「区切り撮影(ステップ方式)」を推奨しています。また、アイマスクやスタッフのこまめな声掛けで多くの方が完遂できています。どうしても困難な場合は、主治医と相談の上、軽い安定剤の使用も検討可能です。

ブザーを押してから外に出るまで、どのくらいの時間がかかりますか?

数秒〜十数秒です。ブザーが鳴ると即座にアラートが届き、撮影を安全に停止してすぐに台を外へ出します。「閉じ込められる」という心配は不要です。

パニック障害の持病があっても検査は受けられますか?

はい、可能です。事前にスタッフにお伝えいただければ、いつでも中断できることを前提とした体制を整えます。発作時の「逃げ場」を確保するシミュレーションも一緒に行いましょう。

途中でやめた場合、再検査までどのくらい期間を空けるべきですか?

医学的な制限はありません。最短で翌日でも可能です。ただし、心の緊張を解くために、主治医や技師と「次はどう対策するか」をしっかり話し合ってから臨むことが成功への近道です。

MRI以外の検査(CTなど)で代用はできないのでしょうか?

目的によります。骨や出血を見るのはCTが得意ですが、脳の細かな組織や初期の脳梗塞、血管の異常を見つけるのはMRIが圧倒的に優れています。MRIでしか分からない情報があるため、私たちは「どうすれば無理なく撮れるか」を一緒に考えたいと思っています。

6. なぜMRIは「怖い」と感じるのか?その正体を知る

途中でやめてしまった自分を責める前に、脳がなぜ反応するのかを知ってください。

  • 本能的な閉所恐怖: 狭い場所で動きを制限されると、脳は生存本能としてパニック信号を出します。これは性格ではなく、脳の正常な反応です。
  • 予測不能な騒音: 工事現場のような激しい音が不安を煽ります。当院では「あと何分で終わりますよ」という声掛けで、この不安を和らげます。

自分に合った「受け方」を選んでいい

MRI検査を途中でやめたことは、失敗ではありません。自分に合う方法を見つけるための大切な一歩です。

「細かく区切って撮ってほしい」「数分ごとに一度外に出たい」と相談することは、正確な検査結果を得るための正当な権利です。当院では、患者さまの不安に寄り添い、オーダーメイドの検査スタイルをご提案します。

「次は、もっと楽に受けたい」 そう思われた方は、ぜひ一度当院へご相談ください。私たちは、あなたの「安心」を最優先にサポートいたします。

クリニック情報

けやき脳神経リハビリクリニック

院長:林 祥史(・日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医・日本脳血管内治療学会認定 脳血管内治療専門医)
所在地:東京都目黒区下目黒2-14-13下目黒HAPPYビル1~3階(受付2階)
診療科目:脳神経外科・リハビリテーション科・内科
検査設備:MRI、レントゲン、超音波など
公式サイト:https://keyaki-nrc.com/