顔面神経麻痺になったら?

こんにちは。
けやき脳神経リハビリクリニックの言語聴覚士の川原です。
当院では、言語聴覚士が外来にて顔面神経麻痺のリハビリを行っております。
急に顔の片側が動かなくなったら、驚いてどうしたらいいか分からなくなりますよね。今回、顔面神経麻痺の早期評価と適切なタイミングとリハビリ方法についてご紹介いたします。
顔面神経麻痺とは?
顔面神経麻痺とは、「顔の筋肉(表情筋)を動かす神経」が障害されることで、顔の片側が動きにくくなる病気です。
代表的なもの
- ベル麻痺
- ハント症候群
- 脳卒中による中枢性顔面神経麻痺
などがあります。
顔面神経麻痺と聞いて、「顔が曲がる」というイメージを持たれる方も多いと思われますが、実際には日常生活のさまざまな場面に影響が出ます。
こんな症状ありませんか?
✔ 口から飲み物がこぼれる
✔ 食べ物が頬に残る
✔ 「パ・バ・マ」が言いにくい
✔ 笑顔が作れない
✔ 目が閉じにくい
✔ うがいがしにくい
など、一見小さなことでも生活では大きな困りごとになります。
言語聴覚士が関わる理由
言語聴覚士は、「話す」「食べる」「飲み込む」の専門職です。
顔面神経麻痺では、口唇や頬の筋肉がうまく動かなくなることで、発音のしづらさや食べこぼし、口腔内に食べ物が残るなど、日常生活にさまざまな影響が生じます。
まずは顔面神経麻痺の程度を正しく評価することが重要になります。
当院では、まず、柳原40点法(Yanagihara grading system)を用いて顔面神経機能を総合的に評価していきます。安静時の表情や額のしわ寄せ、閉眼、口角の動きなど10項目を40点満点で評価し、麻痺の重症度や回復の経過を確認します。

そして、口唇や舌の動き、発音、食事場面などを具体的に評価し、一人ひとりの症状や回復段階に合わせたリハビリテーションを行っていきます。
定期的に評価を行っていくことで回復状況を確認でき、回復段階に応じた最適な訓練メニューに変えていくことが早期回復には必要となります。
実はやり過ぎは逆効果?
早くよくなりたい、という気持ちから「顔をたくさん動かしたほうが早く治る」と思われがちですが、実はそうとは限りません。
回復途中に自己流で無理なトレーニングを続けると、『病的共同運動』と呼ばれる後遺症が現れることがあります。例えば、口を動かすと目まで閉じてしまったり、目を閉じると口元まで動いてしまったりと、本来別々に動く筋肉が一緒に動いてしまう状態です。

だからこそ、顔面神経麻痺のリハビリは「たくさん動かすこと」ではなく、「適切なタイミングで、適切な方法で行うこと」が重要であると、研究でも報告されています(文献はこちら)。
言語聴覚士をはじめとした専門家と相談しながら、一人ひとりの回復段階に合わせて進めていくことをおすすめします。
最後に
毎日を少しでも心地よく過ごせるよう、私たち言語聴覚士がお手伝いします!
まずは、言語聴覚士による評価を受け、現在の状態に合ったセルフケアや自主トレーニング方法を確認してから取り組むことをおすすめします。
当院でも、言語聴覚士が顔面麻痺に対する専門的なリハビリを行っております(リハビリ外来についてはこちら)。
一人一人に合ったリハビリで、「話す」「食べる」「笑う」を一緒にサポートしてまいります。
お気軽にご相談ください♪(当院への問い合わせはこちら)