半盲のリハビリ
こんにちは。12月になりましたね。
脳画像を見ては想像を膨らませている、作業療法士の伊藤です。
冬は、心臓や脳の病気のリスクが高くなる季節、寒さで転びやすくなる季節、小さな身体の変化に気を付けて過ごしましょう。
今日は脳の病気による、眼の見え方のお話です。
私たちは、生活の8割は目を使っていると言われています。最近は老若男女、スマホやパソコンを手放せない生活のため、生活上の目の使用は昔よりも増えていると言えます。
勉強しすぎて近眼になったり、年をとって老眼なったり、白内障になったり・・・眼も色々な症状がでますが、突然、視野が狭くなったり、薄暗くなったり、二重に見えたり、真っ暗になったりしたときは、頭の中で大変なことが起こっている可能性があります(; ・`д・´)
脳の病気の場所によっては、「半盲」と言われる視野の片側、半分や1/4部分が見えなくなったり、「複視」と言われる物が二重に見えてしまったり、「大脳性色覚異常」と言われる色が見えなくなったりする症状がでることがあります。
なぜ、頭の病気が見え方に影響するの??
目(眼球)は、光の明暗や景色を感じる「感覚器官」であり、眼で感じた情報は神経を通り脳で処理されます。その過程の、病気がおこった場所によって、「見る」という様々な機能が上手く働かなくなってしまい、さまざまな見えにくさ、が生じます。
それでは脳の病気やケガによって生じる目の症状のなかから、今日はまず、「半盲」についてお話したいと思います。
「半盲」とは、左右それぞれの目の半分や1/4など、一部が見えなくなる症状です。
「右半盲」であれば、右目の右視野と左目の左視野が見えなくなります。片目だけ見えなくなってしまう、と思われがちですが、両目ともに生じます。そのため、お盆の食事が半分見えなかったり、スマホ画面やPC画面の半分が見えなかったりするのです。でも、頭や目を動かせば見える場所が変わるので、だんだん生活の中で慣れてくることが多く、なんとなく入院中の病院生活はできるようになります。
しかし、退院して実際に自宅での生活になると、さまざまな困った事があることが多いようです。例えば、「探し物がみつからない」「買い物で目的のものがなかなか見つからない」「駅やスーパーなど、人が多いところは非常につかれる」「書類を書くのが大変になった」「パソコンでの間違いが増えた」「アプリやファイルを探してしまう」・・・など、生活のさまざまな場面で生じます。
半盲による見え方の改善方法や眼の使い方のリハビリについては、まだあまり知られていませんが、効果があると言われている方法があります。ドイツの医師、Josef Zihl博士が詳細に研究しており、それに基づいた訓練を行いながら環境調整を行うことで、スムーズに復職が可能となった方も、実際いらっしゃいます。
大変だけど、病気になったから仕方ないか・・・と諦めずに、半盲のリハビリをしっかり行ったことがないようでしたら、行ってみませんか?当院では、半盲に対するリハビリも行っています。一緒に取り組んでみましょう!