花粉症で頭痛がする?春に多い頭痛の原因とMRIによる精密診断【脳神経外科医監修】

「花粉症の時期になると頭痛がする」 「春になると決まって頭が重い」
春は心躍る季節ですが、一方で「頭痛外来」が非常に混み合う時期でもあります。 「いつもの花粉症のせいかな?」「寒暖差で疲れているだけ?」と放置されがちな春の頭痛ですが、実はその陰に「副鼻腔炎(蓄膿症)」や「自律神経の乱れ」が隠れていることが多々あります。
特に、春の頭痛の中でも多いのが花粉症による頭痛です。
本記事では、脳神経外科の視点から、春特有の頭痛の原因と対策、そして当院のMRIを用いた診断について詳しく解説します。
目次
1.春に頭痛が急増する3つの主な原因
春の頭痛は、複数の要因が複雑に絡み合っています。特に、花粉症による頭痛と寒暖差・気圧変化が重なることで、症状が悪化することも少なくありません。
- 激しい寒暖差(三寒四温) 昼夜の気温差や日ごとの乱高下に体が対応しようとし、自律神経が乱れます。これにより血管の収縮・拡張がコントロールできなくなり、片頭痛や緊張型頭痛を誘発します。
- 低気圧の頻繁な通過(気象病) 春は低気圧と高気圧が交互にやってきます。気圧が下がると脳の血管が拡張し、周囲の神経を刺激してズキズキとした痛みを感じやすくなります。
- 花粉症による炎症 花粉による鼻粘膜の腫れや炎症が続くと、頭重感や鈍い痛みを感じることがあります。こうした花粉症による頭痛は、春に特に多くみられる症状の一つです。
2. 花粉症で頭痛が起こる理由
花粉症による頭痛は、いくつかの要因が重なって起こります。
- 鼻粘膜の炎症: 花粉によるアレルギー反応で鼻の粘膜が腫れ、周囲の組織に炎症が広がります。
- 副鼻腔の圧の上昇: 鼻づまりが続くと、副鼻腔の換気が悪くなり、内部の圧が上がって頭重感や痛みが生じます。
- ヒスタミンの影響: アレルギー反応で放出されるヒスタミンは、血管拡張や神経刺激を引き起こし、頭痛の原因になります。
- 睡眠の質の低下や酸素不足: 鼻づまりによる口呼吸や睡眠障害も、頭痛を悪化させる要因になります。
3. 花粉症からくる「副鼻腔炎」と頭痛の関係
「鼻水はそれほどでもないのに、頭が重い、目の奥が痛い」という方は注意が必要です。
花粉症が悪化して鼻の奥の空洞(副鼻腔)が炎症を起こすと、副鼻腔炎(蓄膿症)を併発することがあります。花粉症による頭痛が長引く場合、この副鼻腔炎が原因になっているケースも少なくありません。
【図解:顔のどこに空洞があるのか】

副鼻腔は、額(前頭洞)、目の間(篩骨洞)、頬(上顎洞)目の奥(蝶形骨洞)など、顔の広い範囲に存在しています。そのため、炎症が起きると「目の奥」や「歯の浮く感じ」など、一見鼻とは関係なさそうな場所に痛みが出ることがあります。
【図解:蓄膿、炎症とは】
花粉症が悪化して鼻の奥の空洞(副鼻腔)が炎症を起こすと、副鼻腔炎(蓄膿症)を併発することがあります。花粉症による頭痛が長引く場合、この副鼻腔炎が原因になっているケースも少なくありません。

特徴的な症状
- お辞儀をしたり、階段を降りたりすると頭に響く
- 目の周り、頬、歯のあたりが重苦しい
- 眉間のあたりに圧迫感がある
これは鼻の奥に溜まった膿や腫れた粘膜が神経を圧迫するために起こる「鼻性頭痛」と呼ばれるものです。
4.【画像解説】MRIでわかる副鼻腔炎と脳の状態
当院では、頭痛の原因を特定するためにMRI検査を実施しています。


目の下・周囲の痛みの原因


眉間の痛みの原因
MRI検査の最大のメリットは、「鼻が原因の頭痛」と「脳疾患が原因の頭痛」を一度の検査で同時に、かつ詳細に判別できる点にあります。
【当院のこだわり:検査室と診察室のリアルタイム連携】

当院では、頭部のMRI検査中に副鼻腔に何らかの所見(炎症や膿など)が見られた場合、その場ですぐに副鼻腔の追加撮影を行う体制を整えています。
検査室の技師と診察室の医師が密に連携し、撮影中の画像をリアルタイムでチェックしているからこそできる対応です。これにより、後日再検査になる手間を省き、一度の来院で原因を徹底的に究明します。
【MRIでどこを見るのか】
MRI画像では、脳や脳血管はもちろん、鼻の奥にある空洞を精査します。
健康な状態: 空気が入っているため、炭のように「真っ黒」に映ります。
副鼻腔炎の状態: 膿や粘膜の腫れがある部分は、「白く濁った雲」のように映し出されます。
👉 [そもそも「頭痛外来」とは?詳しくはこちら]
👉 [当院のMRI検査の流れ・詳細はこちら]
5. 花粉症の頭痛は何科を受診すればいい?
診察室でよく「鼻が原因なのに脳神経外科に来てしまってすみません」とおっしゃる方がいますが、実は全く逆です。頭痛が主症状の場合、まずは重大な脳疾患を除外することが最優先です。その上で「実は副鼻腔炎が原因でした」と判明することは、患者さんにとって最も安心できるルートと言えます。
受診の目安は以下の通りです。
- 耳鼻科が適している場合: 鼻水・鼻づまり・くしゃみが主症状/顔や頬の痛みが中心
- 脳神経外科の受診を検討すべき場合: 頭痛が主な症状/市販薬や花粉症治療でも改善しない/脳の病気がないか心配
当院では、患者さんの不安を最短で解消するため、以下の「頭痛最短ルート」を整えています。
- 専門医による問診: 痛みの性質から原因を推測します。
- 当日MRI検査: 予約状況により、その日のうちに撮影。所見があれば即座に追加撮影を行います。
- 即日結果説明: 撮影後すぐに画像を見ながら、原因が「脳」か「鼻」かを確定します。
- 最適な処方・紹介: 症状に合わせた処方、または必要に応じ耳鼻科へスムーズに紹介します。
6. 脳神経外科を受診すべき「危険な頭痛」のサイン
単なる季節の変わり目と片付けられない、緊急を要する頭痛もあります。
- 今まで経験したことがないような激しい痛み
- 手足のしびれや、言葉の喋りにくさを伴う
- 痛みが日に日に強くなっている
- 高熱を伴う頭痛 これらはクモ膜下出血や髄膜炎などのサインである可能性があるため、迷わず脳神経外科を受診してください。
7. 春の頭痛を和らげるセルフケア対策
- 「首の後ろ」を温める: 寒暖差対策として自律神経を守りましょう。
- 鼻うがいの実施: 花粉を物理的に除去し、炎症を防ぎます。
- 規則正しい睡眠: 「寝過ぎ」は血管を拡張させ、片頭痛を悪化させます。
8.よくある質問(FAQ)
花粉症で頭痛がするのは異常ですか?
異常ではありませんが、放置すると副鼻腔炎(蓄膿症)が悪化し、激しい痛みや高熱につながることがあります。鼻薬だけで改善しない場合は、一度精密検査をお勧めします。
脳神経外科で花粉症の相談をしてもいいのですか?
はい、もちろんです。頭痛が主症状であれば、まずは「脳に怖い病気がないか」を確認することが大切です。その上で、副鼻腔炎が原因であれば当院で治療を行うか、必要に応じて信頼できる耳鼻科をご紹介します。
検査にかかる時間はどのくらいですか?
MRIの撮影自体は 10分程度 です。当院では医師と技師が連携し、異常が見つかった際の追加撮影もその場で行うため、スムーズに進めば受付からお会計まで1時間〜1時間半程度で終わるケースがほとんどです。
すでに耳鼻科で処方されている薬があるのですが、受診できますか?
可能です。お薬手帳をお持ちいただければ、現在の治療を考慮した上で、頭痛を抑えるための最適な追加処方やアドバイスを行います。
春の長引く頭痛はご相談ください
当院では当日MRI検査が可能で、検査室と医師の連携により、隠れた副鼻腔のトラブルも見逃しません。
目黒駅から徒歩圏内・不動前駅からもアクセス可能。 また、目黒線沿線(武蔵小山・西小山・洗足・大岡山方面)からも通院しやすい立地です。
春の頭痛でお悩みの方は、我慢せずにお気軽にご相談ください。MRIによる精密診断で、安心をお届けします。
監修医師プロフィール
監修:林 祥史 院長
私立灘高校卒/東京大学医学部医学科卒
けやき脳神経リハビリクリニック 院長 (東京都 目黒区)
資格・所属学会
【資格】 日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医、日本脳血管内治療学会認定 脳血管内治療専門医
【所属学会】 日本脳神経外科学会、日本脳血管内治療学会、日本脳卒中学会、日本リハビリテーション医学会、日本頭痛学会、日本めまい平衡医学会、American Academy of Family Physicians、Cambodian Medical Association