MRI検査はどこまで入る?【画像で解説】頭から?足から?検査時間は?不安を解消!

「MRIってどこまで入るの?」「全部入るの?」 ——そんな不安を感じたことはありませんか?
実は、MRIは、検査する部位によって入る方向や深さはまったく異なります。 この記事では、写真付きで「どこまで入るか」を部位別にわかりやすく解説します。
また、検査中には「ガンガン」「ドンドン」といった大きな音が聞こえますが、これは磁場を切り替える装置の構造によるもので、異常ではありません。 ➡ 音の理由については、 MRI検査の音の正体とは をご覧ください。
部位別「MRI検査、どこまで入る?」早わかり一覧表(顔の位置・閉塞感別)
ご自身が受けるMRI検査が「頭から入る」のか「足から入る」のか、そして「顔の位置」がどうなるかをご確認ください。この一覧表で、MRI検査の不安の大半が解消されます。
| 検査部位 | 入る方向 | 体の入る深さ | 顔の位置 | 閉塞感の傾向 |
|---|---|---|---|---|
| 頭・脳 | 頭から | 上半身(頭・首が中心) | 内部、顔の前にカバーあり(外すことも可能) | 高い |
| 頚椎 | 頭から | 上半身(頭・首が中心) | 内部(顔の前のカバーなし) | 中〜高 (頭・脳よりは緩和) |
| 胸椎 | 頭から | 上半身(胸が中心) | 反対側の開口部付近 | 中 |
| 腰椎 | 頭から | 上半身(腰が中心) | 反対側の開口部付近 | 低〜中 (頭が出口に近く緩和) |
| 腹部 | 頭から | 上半身(腹部が中心) | 反対側の開口部付近 | 中 (頭が出口に近く緩和) |
| 骨盤 | 足から | 下半身(骨盤が中心) | 開口部付近(外部) | 低い |
| 股関節 | 足から | 下半身(股関節が中心) | ほとんど外部 | ほぼなし |
| 膝・足 | 足から | 下半身中心 | 完全に外部 | ほぼなし |
MRI検査時間はどれくらい?部位別目安一覧
「MRI検査時間」は、部位や撮影方法によって異なります。当院での一般的な平均撮影時間をご確認ください。
| 検査部位 | 平均検査時間 | 入る方向・特徴 |
|---|---|---|
| 頭部・脳 | 約10分 | 頭から(下半身は外) |
| 頚椎・胸椎・腰椎 | 約10〜15分 | 頭から(下半身は外) |
| 腹部 | 約20~25分 | 頭から(息止めあり) |
| 骨盤・股関節 | 約15~20分 | 足から(頭は開口部付近) |
| 膝・足 | 約15~20分 | 足から(顔は完全に外) |
MRIは「どこまで入る?」の前に知っておきたい構造
MRI装置は「トンネル型」に見えますが、実際は両端が開いた筒状構造です。
撮影する部位を装置の磁場中心(画像が最もキレイに撮れる場所)に合わせるため、体の入る向き(頭から/足から)が変わります。


頭から入る検査(脳・頚椎・胸椎・腰椎・腹部)
● 頭・脳MRI
頭から入る。体の半分ほどが機械内に入り、最も深く入ります。
- (深さの理由) 脳を磁場中心に合わせるため、頭部が装置の最深部に位置します。
- 頭部が中心となるため深く入るが、骨盤〜太ももから下は装置の外に出ます。
- 耳栓やヘッドホンで騒音軽減。ヘッドホンから音楽と技師の音声。

(外して検査にも対応)


👉 閉所が苦手な方は以下の記事も参考に。 ➡️ 閉所恐怖症の方へ|MRI検査を乗り切る当院の5つの工夫
● 頚椎MRI
頭から入る。入り方は頭部MRIとほとんど同じですが、首が中心になるよう調整します。
- (深さの理由) 頚椎を磁場中心に合わせるため、頭から入ります。頭部MRIと異なり、顔の前のカバー(コイル)がない。
- 骨盤〜太ももから下は装置の外に出ます。
- 検査時間は約10〜15分。
- 耳栓やヘッドホンで騒音軽減。ヘッドホンから音楽と技師の音声。



● 胸椎MRI
頭から入る。胸部が中心に来る位置で、上半身が主に入ります。
- (深さの理由) 胸部を磁場中心に合わせるため、頭から入ります。頭は出口側に近くなります。
- 太ももから下は外に出た状態。
- 息止め不要で10〜15分程度。
- 耳栓やヘッドホンで騒音軽減。ヘッドホンから音楽と技師の音声。



● 腰椎MRI
頭から入る。腰が中心になる位置に調整されます。
- (深さの理由) 腰椎を磁場中心に合わせるため頭から入りますが、頭は出口側に近くなるため、見た目よりも開放感があります。
- 足先は外に出ている。頭は装置反対側の出口側に近くなります。
- 検査時間は約10〜15分。
- 耳栓やヘッドホンで騒音軽減。ヘッドホンから音楽と技師の音声。


一方、頭は反対側出口に近い(下段)

● 腹部MRI
頭から入る。腹部が中心に来る位置です。
- (深さの理由) 腹部を磁場中心に合わせます。頭の先は出口側に近いため、圧迫感は腰椎と同様に軽減されます。
- 呼吸停止を数回行い、20分前後で終了。
- 耳栓やヘッドホンで騒音軽減。ヘッドホンから音楽と必要時に呼吸の合図あり。


一方、頭は反対側出口に近い(下段)

足から入る検査(骨盤・股関節・膝・足)
● 骨盤MRI
足から入る。骨盤が中心になるよう体位を調整します。
- (深さの理由) 骨盤を磁場中心に合わせるため、足から入ります。
- 顔は装置の入口付近(ギリギリ外部)にあることが多く、閉所が苦手な方でも比較的安心です。
- 耳栓やヘッドホンで騒音軽減。ヘッドホンから音楽と技師の音声。



● 股関節MRI
足から入る。股関節が中心になる位置です。
- (深さの理由) 股関節を磁場中心に合わせるため、足から入ります。
- 頭部は装置の入口付近で、顔が完全に外に出ることが多く、閉塞感はほとんどありません。
- 耳栓やヘッドホンで騒音軽減。ヘッドホンから音楽と技師の音声。



● 膝・足MRI
足を中心に撮影。体の大半が外に出た状態です。
- (深さの理由) 検査部位が末端のため、体全体がほぼ外に出ます。
- 顔は完全に外にあり、圧迫感はほぼありません。
- 耳栓やヘッドホンで騒音軽減。ヘッドホンから音楽と技師の音声。



MRIは“両端が開いた構造”そして意外と短い筒
MRIはトンネル状に見えても、両端が開いた筒状構造です。 つまり、「奥に入る」といっても、そのさらに先には出口があります。 特に腰椎・腹部では頭が出口側に近くなるため、閉じ込められる感覚は意外と少なくなります。
閉所恐怖症・不安な方へのサポート
頭部MRIなど、深く入る検査に不安がある方も安心して受けていただけるよう、当院では以下の工夫を行っています。
- 検査中の声かけ(緊急ブザー付き)
- ヘッドホン・耳栓で騒音軽減
- ご家族の付き添い入室対応可
その他、当院の取り組みはこちらをご覧ください。➡️ 閉所恐怖症の方へ|MRI検査を乗り切る当院の5つの工夫
「MRIはどこまで入る?」不安を正しく知れば安心
MRIは部位ごとに「頭から」または「足から」入りますが、両端が開いた構造のため、全身が密閉されることはありません。
特に不安の大きい頭部・脳MRI以外の検査では、頭が出口側に近かったり、顔が外に出たりと、閉塞感は大幅に軽減されることがあります。
けやき脳神経リハビリクリニックでは、 閉所恐怖症や不安のある方も安心して受けていただけるよう、 短時間撮影・声かけ・音響調整など快適な環境づくりを行っています。
記事監修・クリニック情報
執筆:渡邊 潤(放射線技師)
けやき脳神経リハビリクリニック
院長:林 祥史(・日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医・日本脳血管内治療学会認定 脳血管内治療専門医)
所在地:東京都目黒区下目黒2-14-13下目黒HAPPYビル1~3階(受付2階)
診療科目:脳神経外科・リハビリテーション科・内科
検査設備:MRI、レントゲン、超音波など
公式サイト:https://keyaki-nrc.com/