頭部外傷

頭部外傷とは

頭をぶつけて怪我をした場合や、車の衝突事故などで頭が強く揺さぶられた場合、頭部外傷が疑われます。

頭部外傷の症状

  • 頭痛
  • 頚部痛
  • 記憶障害
  • 吐き気、嘔吐
  • めまい
  • ふらつき

頭部を打った時の対応

まずは少し安静にお過ごしください。
軽微な外傷で、症状がまったくない場合は、そのまま様子を見て良いこともありますが、頭痛など上記の症状がある場合は、なるべく早めに受診してください。
また高齢者であれば骨と脳に隙間があり、出血しやすい状態ですので、より注意深く観察することをおすすめいたします。

頭部外傷が原因の疾患

  • 脳しんとう
    脳が揺れたことにより、頭痛や吐き気、記憶障害がでてきます。脳自体は損傷がない状況ですので、安静にすることで回復が望めます。
  • 急性硬膜外・硬膜下血腫
    脳の外側、頭蓋骨の内側で出血が起きている状態です。出血が続いた場合は脳を圧迫し、状態が急激に悪化してくることがあります。その場合は麻痺や意識障害が出現してきて、緊急手術が必要なことがあります。
  • 脳ざ傷
    画像検査にて脳実質に損傷を認めている場合は脳ざ傷と診断されます。増悪してくると手術が必要になることがあり、注意が必要です。MRI検査だと早期から見つけられることも多いです。
  • 外傷性くも膜下出血
    画像検査で脳の外側、表面に血液を認めている場合や、外傷が原因の場合にこのように診断されます。これ自体では問題にならないことが多いですが、急性硬膜下血腫や脳ざ傷を伴っていることも多いため、注意深く経過を見る必要があります。
  • 慢性硬膜下血腫
    頭部を打撲した直後は問題がないものの、数週間~2ヶ月ほどでじわじわと硬膜の下に血液が溜まってくることがあります。慢性硬膜下血腫と診断された場合、量が少ない場合は内服加療で経過を見守りますが、量が増えてきて脳を圧迫する症状(麻痺や失語、頭痛など)が出現してきた場合は手術にて血液を抜くことが勧められます。
  • 頭蓋骨骨折
    外傷によって骨折が起こる場合があります。多くの場合は経過観察で問題ありませんが、骨折の部位や状態によっては形成外科にて専門的治療が望ましい場合があります。
  • 頭皮、顔面の傷
    頭皮や顔面は血液が豊富であり、また皮膚が張っている部位でもあるので、怪我をすると傷が開いてしまう傾向にあります。その場合、なるべく早く綺麗に縫合すると、感染を防ぎ、傷も綺麗に治ります。

当院での診療について

頭にけがを受け、頭痛や嘔気、めまいなど何か症状がある時はお気軽にご受診ください。問診および医師の診察のあと、頭蓋内の出血や骨折が疑われる場合は脳MRIやレントゲン検査をお勧めいたします。
当院のMRIはAIアシスト機能にて早く、きれいに撮像が可能となっており、外傷の評価だけだと最短5分で撮像を終えることが可能です。MRIでは被ばくすることなく、お子様でも安心して検査を受けることが可能です。

なお骨折が強く疑われる場合は頭部CT撮影が望ましいこともあり、その場合は近隣でCT撮影できるところをご紹介いたします。

診察や検査の結果、頭蓋内に異常がないと判断した場合、帰宅可能となりますが、帰宅後に悪化してしまう場合があるため注意が必要です。帰宅後の注意点などきちんと説明させていただき、安心して帰宅できるようにいたします。

ケガによって出血してしまった場合の傷の手当ても当院で可能です。縫合処置やその後の抜糸(抜こう)対応もお任せください。