脳ドック

脳ドックとは

MRIや血液検査など様々な方法で脳の状態を調べ、脳疾患を早期に発見するための「脳の健康診断」です。
特に、頭部MRI・MRA検査を中心に、頸動脈エコー検査、心電図、血液検査などを組み合わせて行われます。脳疾患は自覚症状がないことが多いので、高血圧や糖尿病をはじめとする生活習慣病などを含めたリスク要因も調べることが大切です。

脳ドックでわかること

主に以下のような病気がわかります。複数の検査を組み合わせることで、病気のリスクをより正確に診断します。

頭部MRI検査

脳腫瘍、脳委縮の程度、無症候性脳卒中(症状のない脳梗塞や微小出血)の発見、など脳実質の状態。

頭部MRI検査

脳動脈や脳血管の狭窄、閉塞など、脳血管の様子。

頸動脈のエコー検査

頸動脈の狭窄や動脈硬化など、頸動脈の様子。

採血やその他の検査

脳卒中の危険因子となる高血圧・高脂血症・糖尿病など。

見つかる病気

未破裂脳動脈瘤

脳動脈瘤は脳の動脈がコブ状に膨らむ病気で、くも膜下出血の原因となります。
破裂する前の状態を未破裂脳動脈瘤といい、成人の約2%~6%に発見されると言われています。
ほとんどの未破裂脳動脈瘤は破裂するまで無症状ですが大きな動脈瘤では、瞼が下がる(眼瞼下垂)、物が二重に見える(複視)などの症状を呈する場合があります。
大きな脳動脈瘤に対しては、血管内治療や開頭手術といった予防治療を検討します。

頭蓋内動脈狭窄

動脈硬化によって頭の中の血管が狭くなる病気です。狭くなると脳への血流が不足し、脳梗塞を引き起こすことがあります。脳梗塞が起きた場合、頭の中の動脈狭窄症については、症例に応じて治療法が選ばれます。

無症候性脳病変

無症候性脳梗塞

MRI画像には脳梗塞の兆候が認められるものの、症状はありません。多くの場合、脳の深い部分の小さな血管が詰まっていることが原因ですが、まれに太い血管の狭窄が隠れていることもあります。

大脳白質病変

脳の血流が減少することで起こる慢性的な脳虚血が、主な原因とされる病気です。
これは脳の小さな血管が損傷を受けるものです。

無症候性脳梗塞や大脳白質病変がある人はない人に比べて脳卒中を発症するリスクが高いと言われています。

脳微小出血

脳内の小さな血管が破れて、少しだけ出血することを示しています。MRIの技術が進んだことで見つかるようになりました。特に症状がないのに、いつの間にか起こることが多いです。微小脳出血は年齢とともに増えますが、高血圧も影響しています。

脳委縮

私たちの脳は年を取るにつれて、シワが深く大きくなります。これは脳が徐々に縮んでいるためです。通常、30代からの脳の縮小が始まり、65歳頃には目に見える変化が現れます。萎縮の進行や程度は人によって異なり、脳の部位によっても違いがあります。脳の萎縮の程度や範囲、部位、症状を調べることで、認知症の可能性を判断できます。「脳が委縮しているから認知症かもしれない」と考える人も多いですが、萎縮があっても必ずしも認知症になるわけではありません。

当院では、AIを使った新しい脳の健康評価プログラム『MVision health』を導入しております。これは、脳のMRI画像をAIで分析し、数値として示す検査です。脳の萎縮や血管の変化がわかります。

頸動脈狭窄症

頸動脈は首のあたりで内頸動脈と外頸動脈に分かれています。この分かれた部分で動脈の壁に脂肪の塊(プラーク)がたまると、血流の流れが狭くなる病気になります。
血液の流れが狭くなると、脳への血流が減り、脳梗塞が起こることがあります。
また、プラークが壊れやすい場合(不安定プラーク)には、プラークが剥がれて脳の動脈をふさいでしまい、脳梗塞を引き起こすこともあります。

こんな方におすすめ

  • 脳の病気を早く見つけたい方
  • 高血圧、糖尿病、脂質異常、動脈硬化の診断を受けたことがある方
  • 飲酒や喫煙の習慣がある方
  • 家族に脳の病気にかかったことがある人がいる方

40代になったら脳ドッグを受けることをおすすめします。
異常がなければ2~3年ごとに受ければ大丈夫ですが、高血圧や糖尿病、脂質異常、過度の飲酒、喫煙の習慣がある方、家族に脳の病気の人がいる場合は、1~2年ごとの受診をおすすめします。

脳ドックが受けられない方

  • 心臓ペースメーカーを埋め込まれている方
  • 金属製(MRI非対応)の人工弁や人工内耳、人工耳小骨の手術を受けた方
  • 神経刺激装置や除細動装置、骨成長刺激装置を使用している方
  • 磁力で取り付ける義眼や義歯を使っている方

体内に金属があっても、金属の種類によっては検査ができます(例えば、四肢の骨折の固定など)。お気軽にご相談ください。

MRI検査が不安な方へ

当院では、検査時間を短くし、閉塞感を和らげる、音を和らげるために努力しています。一度、スタッフへご相談ください。

当院の脳ドックの特徴

当院では、1.5テスラのMRIを導入しています。最新のAI技術を搭載しており、高画質で従来より静かに、撮影時間も短縮されています。検査を受ける方の負担が軽く、脳神経外科の専門医が診断と説明を行うため、正確で迅速な診断が可能です。
全てのコースに医師による診察と結果説明がついています。

脳ドックの料金

項目備考脳ドッグ
(シンプル
コース)
22,800円
脳ドッグ
(スタンダード
コース)
49,800円
脳ドッグ
(プレミアムコース)
61,300円
もの忘れパック脳卒中パックフレイル
(体力低下)パック
問診・診察(結果説明と同時に行います)
認知症
聞き取り検査
45歳以上及び気になる方は行います
(長谷川式もしくはMOCA-J)
認知症
スクリーニング
ADAS-COG-J
身体測定身長・体重・血圧・脈拍
心電図12誘導心電図
血圧脈波検査血管のつまりや硬さ、血管年齢の測定を行います
採血、尿検査血算、生化学、血糖、HbA1C、脂質、尿酸、肝機能、腎機能、尿検査
脳MRI、MRA
頸部MRA
脳委縮AI評価
M Vision
頸部エコー
心エコー
体組成測定
筋力測定握力、下肢筋力(WBI)
有酸素運動測定リカンベントバイクでの測定
動作解析
(歩行)
マーカーレス動作解析装置を用いた解析です
動作解析
(立ち上がり)
マーカーレス動作解析装置を用いた解析です
骨密度手のレントゲンにて測定します
栄養相談栄養士によるオンライン栄養指導を行います

MVision 脳委縮解析単体依頼 9,800円

当院で撮像された頭部MR画像であれば人工知能(AI)解析に出すことが可能です。将来、認知機能が低下するリスクが高い状態かを測定します。

脳ドック受診の流れ

01.予約

お電話またはドック予約フォームよりお申し込みください。
コースをお伺いし、日程のご予約をお取りします。
当日は問診票をお渡しいたしますので、ご記入ください。

02.検査

必要に応じ検査着にお着替えしていただきます。
検査前にチェックなどを行い、MRIなどの検査を行います。

03.診察・結果説明

医師の対面による診察と結果説明を行います。

04.お会計

受付でお会計していただいたら終了となります。
WEB決済の方は、お会計はありませんので、終了後ご帰宅ください。

05.結果報告書を送付

後日、最終の詳細な検査結果「結果報告書」を郵送いたします。

検査当日のお願い

  • MRI検査の際、飲食の制限はありません。
  • マグネットネイルやジェルネイル、金属の飾りがあるネイルは避けてください。
  • カラーコンタクトレンズは金属成分が含まれていることがあるため、検査前に外してください。カラーコンタクトレンズは付けずに来院するか、コンタクトケースを持参してください。
  • 増毛パウダーはMRIに影響を与えるため、使用しないで来院してください。
  • ウィッグを使用している方はお知らせください。
  • 金属の飾りがないアイマスクやタオルは、目の上に置いたままで検査が可能です。
    希望の方は持参してください。

よくある質問

予約なしでも受診可能ですか?

脳ドックは予約制となります。当ホームページにある予約フォーム、またはお電話にてご予約ください。

脳ドックで被ばくの心配はありますか?

MRI検査はレントゲンと異なり、放射線を使わないので被ばくの心配はありません。しかし、強い磁力を使うため、体内に金属があるかどうかの確認や、検査室に入る前の注意事項があります。

脳ドックで異常が見つかった場合の対応

脳ドックの結果、治療やリハビリ、生活習慣の改善が必要な場合は、診察時に治療の進め方を詳しく説明し、必要に応じてお薬を出します。また、手術や詳しい検査が必要な病気が見つかった場合は、提携している病院にすぐにご紹介します。

刺青をしていますが、受診可能ですか?

MRIは強い磁場と電磁波を使って画像を作成します。入れ墨やアートメイクには金属成分が含まれていることがあり、まれに電流が発生して熱を持ち、火傷や変色のリスクがあります。しかし、金属の量は少ないため、検査は可能ですが、安全のために事前にお知らせください。

検査中は緊急用のブザーをお持ちいただきます。入れ墨やアートメイクの部分に違和感や熱、痛みを感じた場合は、ブザーを押してお知らせください。安全のため、検査を中止することもあります。

閉所恐怖症です。鎮静剤の使用は行っていただけますか?

鎮静剤はリスクがあるため使用できませんが、「ヘッドホン」や「耳栓」をご用意しています。また、金属部分にないアイマスクを持参していただいても大丈夫です。検査技師はこの点を考慮し、負担を軽くする工夫をしています。不安がある場合は、遠慮なくお知らせください。受診者さまの状況を最優先に、安全で安心な検査を行います。